マーク金井の試打インプレッション

ヤマハ インプレスX Z203 ドライバー

2013/03/12 09:00

打ってみると?

試打クラブはロフトが10.5度、シャフトは純正のSR(TMX-513D)。フェースの向きは見た目通りフックで、フェースアングルは+2度。ヘッドをポンと地面に置くとフェース面は明らかに左を向く。フックフェースの影響もあってリアルロフトは12度と多めだ。

シャフトの硬さの目安となる振動数は236cpm。ワッグルすると手元側がしっかりしていて先端側が大きめにしなる。長さはメーカー値、実測(ヒールエンド法計測)とも45.75。クラブ重量は284.4gでバランスがD0。

シャローフェースなのでティアップを低めにセットして打ってみると・・・「シュパーン」と乾いた金属音。真っ直ぐ打つつもりでインサイドからヘッドを入れると、強いドロー弾道。自分がイメージするよりも20ヤードぐらい左に飛んだ。ゴルファーが意識しなくてもインパクトゾーンでヘッドが左に回転したがるために、捕まりが非常に良いのだ。アウトサイド・イン軌道でカット気味に打ってもコスリ球にはなりづらいのだ。フッカーには捕まり過ぎる怖さがあるが、見た目通り、スライサーにはドローが打ちやすく仕上がっている。

そして印象に残ったのがヘッドスピード。軽くスイングしてもヘッドスピードが上がりやすい。ヘッドがやや軽めなことも影響していると思うが、前作よりも0.5インチ短くなっているのにヘッドスピードが上がってくれる。反面、クラブが軽いためにヘッドスピードを45m/sぐらいに上げ、しっかり振りに行った時は軽さの影響でややタイミングが取りづらくなった。

スピン量は多すぎず、少なすぎず。フェース中央付近で捕えると2700~2900回転。フェースやや上側で捕えると、2100~2500回転となって低スピン弾道で飛距離を稼げた。反面、フェースの下側で捕らえるとスピンが3000~3700回転に増えた。上下の慣性モーメントはそれほど大きくないのかも知れない。

前作同様、メーカーのコンセプト通り、見た目通りにつかまりが非常に良い。スライスに悩んでいるゴルファーにはフェアウェイキープ率が上がるだけでなく、曲がりを抑えて飛距離アップを狙っていける。長さが少し短くなって振り切りやすくなっているドライバーだ。

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