日本シャフト N.S.PRO Regio Formula M
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイドの初代グローレ。シャフト脱着式なので同じヘッドでテストできる。ロフト角は表示9.5度で、リアルロフト角が10.5度となっている。
まずは50g台のS。ワッグルすると手元側が少ししなり、中間部分が硬いのが手に伝わってくる。シャフトのしなり量が少ないタイプだ。実際に打ってみても挙動は変わらない。切り返しで手元側がピンポイントにクイッと小さくしなり、ダウン後半からインパクトにかけては、シャフト全体が力強く、そしてスピーディーにしなり戻る。ムチのような挙動ではなく、シャフト全体が張りのある状態で動く。しなり戻りの加速感は非常に速く、インパクトで力強くボールを叩ける。シャフト挙動としては、典型的な弾き系。先端側が軟らかめなので中調子だがダブルキック的な挙動も感じ取れた。シャフトでヘッドスピードが上げられ、なおかつ高くて強い弾道が打ちやすい。ボール初速も出ていて飛距離性能はかなり高い。
試打して印象に残ったのが、硬さとトルクのバランス。高弾性シートを採用するとフィーリングがシャープになり過ぎ、挙動がピーキーになることがあるが、「Regio Formula M」は挙動がマイルド。手元側に適度なトルク感(ねじれ)があるのでタイミングが取りやすい。
弾道的にはニュートラルから軽いドロー。シャフト先端側のしなりが多めなので、高弾道で捕まった球が打ちやすく仕上がっている。65Sに持ちかえると、こちらは10g重い分だけ全体的にしっかり感がある。加えて、55Sに比べると手元側の剛性感が高まっていて、トルクもこちらの方が小さい。シャフトの挙動にシャープさが増している。同じシャフトであるが、65Sの方がハードヒッター向けに仕上がっている。
弾道計測してみると、いい感じで捉えると打ち出し角は12~14度でスピン量が2200~2800回転。高弾道でキャリーをしっかり出せるシャフトである。方向性に関してはニュートラルからやや捕まるタイプ。先端剛性がそれほど高くないので、インパクトゾーンではヘッドがアッパーに動きやすく感じる。インサイドから少しあおり気味に打つと捕まり過ぎる怖さはあるが、捕まりはあっても左に曲がりづらいシャフトだ。
【適正ヘッドスピード】
65S:43~49m/s
55S:42~48m/s