ミズノ MP CRAFT ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブは9.5度のS。シャフトは三菱レイヨンの最新モデル、ディアマナ Rの60S。リアルロフト角は10.5度でフェース角は+1度。アスリートモデルだが、アドレスするとフェース面は少し左を向いている。フッカーよりもスライサー好みの顔つきだ。
シャフトはワッグルすると手元から中間のしなりを感じる。振動数は261cpm。アスリート向けだけあって硬めの設定だ。長さは実測45.25インチ(60度法計測)。クラブ重量は316.3gでバランスはD2。今どきのドライバーの中では重めの部類に属する。
アイアンでじっくり肩慣らししてから打ってみると・・・シュパーンと爽快な金属音とともに、やや高めのストレート弾道。見た目通り、MPシリーズの中では重心距離は長めなのだろう。ダウンからインパクトにかけてヘッドがゆったりとターンする。球筋を左右に打ち分けることよりも、直進性の高い弾道が打ちやすい。また、ヘッドの打点位置を意図的にブラして打っても左右の曲がりが控えめ。アスリートモデルとは思えないほど、スイートエリアの広さを感じる。
インパクトの心地良い感触はMPシリーズならでは。フェースは弾き感が強いにも関わらず、芯で捕えるとフェースにボールが吸い付く手応えを味わえる。球離れは早いのに打感が実に心地良い。
ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて弾道計測してみると、キャリーが出やすい。ことさら低重心でない感じがするし、実際、スピン量はやや多め。芯で捕らえると2700~3100回転。フェースの上側で捕らえると2400回転ぐらいに減り、低スピン弾道で飛距離を稼げた。効率良く飛ばすには、フェースのやや上側で捕らえる技術が求められる。ヘッドの挙動をコントロールできるプロ、上級者が使えば、スピン量を自分で調整できるドライバーでもある。
シャフトはトップからダウンの切り返しで手元側がしなり、ダウン後半からインパクトゾーンにかけては先端側が鋭くしなり戻る。ディアマナ Rシリーズの特徴であるダブルキック的な挙動があり、ボール初速を効率良く上げていける。加えてヘッドがアッパーに動きやすいのでボールを高く打ち出せる。
MPシリーズというとハードヒッター向けのイメージが強いが、今回MPクラフトに関しては、ボールが上がりやすく安定したキャリーを出しやすい。そして、特筆すべきは直進安定性。フェアウェイキープ率を確実に上げていけるドライバーだ。クラブでスピンを減らしたいハードヒッターにはやや物足りない感じがするが、セミハードヒッターには非常に扱いやすく、飛距離と方向性を手に入れられるドライバーである。