コブラ KING LTD ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブは、ノーマルポジションでロフト角10.5度に設定。シャフトは、標準装着されているコブラ・グラファイトデザイン ツアーADのSフレックス。ノーマルポジションでアドレスすると、フェースはやや右を向く。ワッグルすると、シャフトは手元側が硬めで中間部分が控えめにしなる。硬さの目安となる振動数は251cpm。長さは45インチで、バランスはD4。クラブ重量は321.5g(すべて実測値)。今どきのドライバーとしては、総重量が重めに仕上げられている。
実際に打ってみると、インパクト音はやや控えめ。「スパン」とやや乾いた音とともに、弾道がやや高めに飛び出したのは重心の深さが影響しているのだろう。大型ヘッドにも関わらず、つかまりが適度に良い。動きはゆっくりしているが、インパクトゾーンでヘッドは返りやすく感じられる。球筋はほぼストレート。スライサーがドローを打てるほどではないが、見た目よりもつかまった球が打ちやすい。直進性が高い弾道がオートマチックに打てる。
反面、重心が深いために操作性はそれほど高くない。ボールを曲げようとしても曲げづらい。まっすぐ打つにはやさしいが、球を曲げるのは難しいドライバーである。
ヘッドスピードを46m/s以上に上げて弾道計測してみる。すると、打ち出し角が12~14度で、スピン量が2400~2800回転。重心位置が低いこともあり、オートマチックに低スピン弾道が打てた。キャリーだけでなく、ランでも飛距離が稼げる。ただしこのドライバーはクラブ全体としても、ヘッド単体としてもが重く、振り切るにはある程度のパワーが求められる。ゆっくり振るより、しっかり振り切った方がクラブの性能を引き出せる。
スイートエリアの広さは、コブラならではと言える。従来モデルと同様に、打点が少々ズレても、飛距離の落ち込みが少ない。
標準装着されているシャフトは、コブラ・グラファイトデザイン ツアーAD。手元の剛性が高く、中間部分から先端側にしなるポイントがある。典型的な中先調子で、ほどよく球をつかまえてくれる。挙動が落ち着いているので、タイミングが取りやすいシャフトだ。
コブラらしい直進性のある球が打てるし、「スペースポート」の効果により低スピン弾道もさらに打ちやすくなった。軽いクラブでは物足りない中・上級者、また左へのミスを減らしてまっすぐ打ちたいハードヒッターの期待に応えてくれる魅力的なドライバーである。