ミズノ JPX EIII sv ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブは、ロフト角がノーマルポジションで10.5度、リアルロフト角は12.75度。シャフトは純正のOrochi Lightの Sフレックス。フェース角は+2度と、明らかなフックフェース。リアルロフト角が大きめなこともあり、アドレスすると高弾道をイメージしやすい。
純正シャフトはSフレックスにしてはかなりソフトで、ワッグルすると中間部分から先端部分が大きめにしなる。硬さの目安となる振動数は237cpm。長さは表示、実測値ともに45.5インチ(※60度法計測値)。クラブ重量は298.2gで、バランスはD2.5。
まずは、シャフトの硬さに合わせて、軽めに打ってみる。すると、「シュパーン」と軽めの音とともにボールが飛び出した。まっすぐ打つつもりでスイングしたにも関わらず、強めのドロー弾道。重心距離が短めで、インパクトゾーンでヘッドが返りやすい。前作JPX EIII ドライバーより明らかに、つかまり性能がアップしている。スライサーへのお助け要素が強く、直進性の高い弾道よりもドローやフックが打ちやすい。
弾道計測してみると、打ち出し角は14~16度とかなり高め。スピン量はほどよく高弾道で、キャリーが出やすい。パワーヒッターには吹け上がる怖さがあるが、ヘッドスピードが遅めの人が使えば、ボールは楽に上がってくれる。スイートスポット位置はやや低め。フェースのやや上側で捕らえると、スピン量は2400~2800回転前後になって、高弾道でキャリーとともに飛距離を稼げた。
印象に残ったのは、前作と同様に、純正シャフトの手元側を重くしたカウンターバランス設計。この効果によって相対的にヘッドが軽く感じられ、フィニッシュまで振り抜きやすくなる。
純正シャフトは中間部分から先端部分が軟らかい。手元側の剛性が高く、切り返しで中間部分が大きめにしなる。ダウンスイング後半からムチのようにしなり戻り、ヘッドが加速する。シャフトがしなり戻るタイミングはやや遅め。ヘッドを走らせることよりも、しなりを感じやすく、そしてタイミングが取りやすく仕上がっている。
前作に比べるとフックフェースの度合いが強くなり、ヘッドの挙動もつかまり具合がアップしている。クラブでスライスの度合いを軽減したい、ドロー弾道で飛距離を伸ばしたいというゴルファーの期待に応えてくれるドライバーだ。