マーク金井の試打インプレッション

キャロウェイゴルフ APEX アイアン(2016年)

2016/05/10 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブに装着されるのは、スチールシャフトの『N.S.PRO MODUS3 TOUR 120』。硬さはSフレックス。クラブ重量は429.8gで、バランスはD1。硬さの目安となる振動数は324cpm。ロフトは31度で、長さは37インチ(いずれも7番アイアンの数値/60度測定法での計測)。重めのスチールシャフトが装着されていることもあって、見た目よりもややハードに感じる。ワッグルすると、シャフトの中間部分がクイッとしなる。

まずは7番アイアンから打ってみた。1発目からイメージ通りのストレート弾道。ネックはややグースになっているが、捕まり過ぎる感じはなく、ヘッドの挙動もニュートラル。マッスルバックよりは重心距離が長く、大型ヘッドのアイアンよりは重心距離が短く感じる。まさにセミオートマチックなアイアンだ。
インパクトではフェースの弾き感が強く、ボール初速がしっかり出ている。球離れが早いフェース素材であるが、振動を上手く吸収しているので打感は心地良い。フェース裏側に装着されたポリマーの影響なのだろう。フェースが弾く割には、打感は思いのほかソフトで心地良い。

ソールの形状はバウンス角が大きめだが、丸みが強めなので跳ねる度合いが少なく、抜けの良さが手に伝わる。ソール幅はやや広めだが、ダウンブローにヘッドを入れると、スパッと振り抜ける。ダフりに対する強さよりも、抜けの良さを重視している感じがする。

弾道は高めでスピンはやや少なめ。ストロングロフトの影響もあるが、マッスルバック形状のアイアンに比べると、ややスピンが少ない。弾道計測してみると、打ち出し角が19.5度前後で、スピン量は5,400~5,800回転。バックスピンをかけて戻す弾道ではなく、落下後にランがほんの少し出る弾道になっている。スイートエリアは見た目よりも広く、打点のバラつきにも強い。ハーフトップ気味に打ってもキャリーの落ち込みが少ない。

装着されているシャフトがN.S.PRO MODUS3 TOUR 120(120g台)なので、ダイナミックゴールドに近い振り心地。軽量スチールのN.S.PRO 950GHに比べると、重さがしっかりある。シャープに振り抜くにはヘッドスピードもさることながら、ある程度のパワーが求められる。このシャフトに関しては、使いこなすにはヘッドスピードが44m/s以上必要だろう。

ヘッドの大きさはやや大きめだが、形状は適度にシャープで、上級者にも好まれるタイプ。それでいてストロングロフトで飛距離を稼げる。ミスの許容範囲も適度にあるので、見た目よりもやさしく感じられる。
「見た目にもこだわり、なおかつやさしく飛距離を稼げるアイアンを使いたい」そんなアマチュアの欲求に、大いに答えてくれるアイアンだ。

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