テーラーメイド M2 ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブはロフト角9.5度で、装着するシャフトは純正のTM1-217のSフレックス。ノーマルポジションだと、フェースがやや右を向いている。M1ほどではないが、M2もニュートラルポジションではフッカー好みの顔つきだ。
ワッグルするとシャフトの中間から先端側がしなる。日本仕様ということもあるのだろう。Sシャフトにしては軟らかめである。
まずは、シャフトの硬さに合わせて、ややヘッドスピードを落として打ってみた。「スパン」と乾いたインパクト音とともに、ボールはストレート弾道で力強く飛び出した。初代M2同様、2代目M2もM1ドライバーに比べてヘッドがやや軽い。M2 ドライバーの方が、フィニッシュまで一気に振り抜ける。メーカー側は公表していないが、M1に比べるとM2はヘッド重量が5g以上軽そうだ。
そして印象に残ったのがヘッドの挙動。重心距離と重心深度のバランスがいいのだろう。インパクトゾーンのヘッドの挙動はニュートラルで、直進性の高い弾道が打ちやすい。ニュートラルポジションで比較すると、M1よりもM2は少し重心が深く、その分ミスに強く、そしてやや高めの弾道が打ちやすくなっている。弾道はM1ほどではないが、低スピン弾道が打ちやすく、M2は打出し角が高くてキャリーが出やすくなっている。
ヘッドスピードを46m/sまで上げて弾道計測すると、打ち出し角は13.5度前後で、スピン量は2300~2700回転。スピンが少なめの放物線弾道で、キャリーとランで飛ばせる。フェースのやや上側でとらえると、スピン量は1700~2200回転まで抑えられ、低スピン弾道でさらに飛距離を稼げた。
純正シャフト(TM1-217)のSフレックスは、M1 ドライバーの純正シャフト(TM1-117)より5gほど軽く、そしてトルクが少し多め。切り返しで中間部分がしなり、ダウンスイングからインパクトにかけては先端部分がしなり戻る。典型的な先中調子で、癖のないチューニングがなされている。
2代目M2 ドライバーには凝った重心調整機能が搭載されていないが、その分だけヘッドが少し軽く、シャフトも少し長い。ゴルファーとの相性にもよるが、これにより振り抜きやすくヘッドスピードが上げやすい。M1とM2は調整機能の差だけでなく、ヘッド重量の差も大きい。
ヘッドの挙動はM1よりも少しつかまりが良いが、調整機能の有無以上に、M1とM2とではクラブの特性が異なる。ヘッドがあまり重くない方が振りやすいと感じるゴルファーや、つかまりを求めるゴルファーには、M1よりもM2の方が扱いやすいし、やさしく飛距離を稼げるドライバーである。