三菱レイヨン ディアマナ X
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイドのM2 ドライバー。ヘッド体積はルール最大級の460cc。ロフト角は表示9.5度でリアルロフト角は10度前後というもの。
試打するシャフトの種類は50グラム台のSフレックス。ワッグルするとグリップ部分(手元側)から中間部分の剛性が非常に高く、シャフトのしなり感は控えめで、SというよりはXに近い硬さが手に伝わってくる。
実際に打ってみても、切り返した時にシャフト中間よりもやや手元側が「クイッと」控えめに小さくしなる。そして、ダウンからインパクトにかけては強力なバネのような感じで力強くしなり戻る。初代Xシリーズもそうだったが、このX '17もシャフトのバネ性が非常に高く挙動がシャープだ。
手元側から中間部分が硬いのでしなり感が少ないが、これによりバネ性が強く、弾き感が手にダイレクトに伝わるシャフトだ。
そして印象に残ったのがタイミングの取りやすさ。初代ディアマナXはトルク感が非常に少なく、シャープな挙動ゆえに正直、タイミングが取りづらかった。しかしディアマナ X '17はトルクが少ないにも関わらず、挙動がシャープ過ぎない。初代に比べるとほんの少しだが挙動に「遊び」を感じる分だけヘッドの挙動は安定し、インパクトの再現性が非常に高く、弾道も安定している。
インパクトゾーンではシャフトの先端側が走りすぎず、打点位置(スピン量)もコントロールしやすい。先端側がしっかりしているのでつかまるタイプのシャフトではなく、弾道はニュートラル。自分の意思が伝わりやすいので、ドロー、フェードも打ち分けやすく仕上がっている。
初代ディアマナXに比べると、今回のディアマナX '17はメーカーの意図通り、弾き感が強く強弾道が打ちやすい。それでいて初代よりもタイミングが取りやすい分だけ安定性にも優れている。弾きの強さを感じさせるアスリート向けシャフトである。
【適正ヘッドスピード】
ディアマナX '17 50(S): 44~48m/s