キャスコ パワートルネード ユーティリティ ウェッジ
打ってみると?
試打クラブはU4でロフト角は21度。シャフトは標準装着される、カーボン素材の「STABIL SHAFT」のSフレックス。ワッグルすると見た目通りに先端剛性が非常に高く、キックポイントは先中となっているが、中間部分から手元にかけてしなるのが手に伝わる。
素振りでシャフトの硬さをチェックして、まずは軽めに打ってみた。「カキーン」と甲高い金属音とともに、ボールはやや高めに飛び出した。
ストレートボールを意識してスイングすると、軽いドロー弾道。フェースプログレッションが小さいこともあってつかまりがいい。
弾道はスピンがしっかりかかっており、グリーンに止まりやすい球がオートマチックに打てる。同じロフトのアイアン、そして同じロフト角の他のユーティリティに比べると、1割以上スピンが多い感じがする。
ヘッドスピードを41m/sぐらいに上げてみても、スピンがしっかり入った弾道が打てた。打出し角は15度前後で、スピン量は4600~5000回転。同じロフトのアイアンに比べると、弾道が高いだけでなくスピン量も明らかに多く、グリーンに止まる球が打ちやすい。
標準装着される純正シャフト「STABIL SHAFT」は、見た目通りに先端の剛性感が高く、カーボンシャフトなのにスチールシャフトを打った時のようなソリッドな感触が手に伝わる。シャフト自体はそれほど硬くないのだが、先端の剛性感はカーボンシャフトとは思えないほど硬くてしっかりしている。好みは分かれそうだが、ダウンブローに打ってもシャフトが負けることはないだろう。
ロングアイアンの代わりとしてすっかり定着しているユーティリティクラブだが、この「パワートルネード ユーティリティ ウェッジ」は、アイアンよりもグリーンに止まりやすい球が打てる。飛びよりも、グリーンやピンを狙えるユーティリティを使いたいゴルファーには、大いに期待に応えてくれるクラブである。