想像を超える飛距離性能 「プロギア egg アイアン PF」
打ってみると?(弾道は)
試打クラブに装着されるシャフトは、純正カーボンの「M-43」。この43とはドライバーのヘッドスピードを目安とした数字で、一般的なフレックスでいうとS相当となっている。グリップはやや太めで、ワッグルすると手元がしっかりしており、中間から先端がクイッと大きめにしなる。
まずはPWから打ってみた。「パシーン」と非常に弾き感の強い手応え。ウェッジで打っているのに、高反発ドライバーを打った時のような感触が手に伝わる。肉薄フェースの影響だと思うが、フェースの反発が強く、そして球離れも非常に早い。1発目からキャリーが130ydを超え、8番アイアンくらいの飛距離が出た。
続いて7番を打ってみたが、こちらも1発目から想像を超える飛距離が出た。軽めにスイングした時でキャリーが170yd前後。しっかり振るとキャリーは175ydとなり、ランを含めたトータル距離は185ydを超えた。7番で5番と同じぐらいの飛距離がオートマチックに出る。
それでいて「egg アイアン PF」の7番は、一般的な5番よりもやさしく感じる。7番だという心理的な安心感もあるが、スイートエリアが広く、深くて低い重心でボールが上がりやすいからだろう。
7番で弾道計測してみると、打ち出し角が14度前後で、スピン量は3800~4200回転。ロフト角が26度と非常に少ないこともあり、打ち出し角が低めでスピン量もそれほど多くない。弾道としては5番とほぼ同じなので、グリーンに落下後、10yd前後のランが出そうだ。
ソールの形状は番手によって異なる。番手が小さくなるほどソールが凸型形状になり、ヘッドの抜けが良くなるようにデザインされている。バウンス角はそれほど大きくないので、ダウンブローに打ち込むよりも、浅い入射角でヘッドを入れた方が、インパクトの再現性が高くなるタイプのアイアンだ。
純正のカーボンシャフトは軽さとしなり感のバランスが良く、インパクトゾーンではヘッドがややアッパーに動き、球が上がりやすくなっている。
操作性はオートマチック系で球離れが早いので、ボールを左右にコントロールするイメージがしづらく、実際に曲げることが難しい。
メーカーの意図通り「egg アイアン PF」はフェースの弾き感が強く、ストロングロフト効果で並外れた飛距離を稼げる。飛距離を求めつつ、オーソドックスなヘッド形状のアイアンを好むゴルファーには、願い通りのクラブだといえるだろう。