マーク金井の試打インプレッション

弾きが良いのに手応えはソフト「テーラーメイド M グローレ アイアン」

2018/10/30 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトは、純正の「藤倉ゴム工業 スピーダー エボリューション TM」、SRフレックス。

手にしてまず感じるのがシャフトとグリップの軽さ。ヘッドは軽くないが、手元がかなり軽く感じる。ワッグルしてみると手元がしっかりしていて、中間から先端がしなるが、しなりはそれほど大きくない。

まずはPW(ピッチングウェッジ)から打ってみた。フェースの弾き感が強く、ボールが高く飛び出した。ロフト角は41度と、ストロング設定であるが、低重心の影響なのだろう。オートマチックにボールが高く上がるが、逆に球を低く抑えて打つのが難しい。

次に7番アイアンを打ってみた。やはりフェースの弾き感が強い。インパクトでボールがつぶれる感触は希薄で、アイアンというよりは、ユーティリティを打ったかのような感触が手に残る。

7番のロフト角は27度で一般的な7番より小さいが、それと遜色なくボールが上がる。ただしスピン量は多くなく、数値的には一般的な5番アイアンと同じくらいだ。

飛距離は普段のアイアンより1番手以上飛ぶ。フェースの弾きが強く、ストロングロフトでスピンが少ない。この3つの効果で、7番でもキャリーが160ydを楽に超えてくるのだ。

弾道計測してみると、打ち出し角は16~17度。スピン量は4200~4600回転ほどと、見た目通りにスピンが少ない。

そして特徴的なのが打感だ。フェースは薄肉で弾き感が強いが、打感はソフト。衝撃吸収材の効果で弾きが良いのに、手応えは非常にソフトな不思議なアイアンである。

丸みが強いキャンバーソールは幅広だが、接地面積はそれほど広くないため、抜けの良さが感じられる。

「スピーダー エボリューション TM」は切り返しで中間部分がしなり、インパクトにかけてシャフト先端のしなり戻りがやや大きめ。ボールがつかまりやすく、かつ高弾道が打ちやすいシャフトだ。

M グローレ」はやさしいアイアンのお手本のように作り込まれている。寛容性が高く、芯を外して打ってもヘッドがぶれにくい。ミスヒットに対するお助け度が非常に高い。昔のアイアンの飛距離を取り戻したいシニアゴルファーや、総重量が軽いクラブと相性が良いゴルファーにとっては、飛びとやさしさの両方を手に入れられるアイアンだ。

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テーラーメイド
発売日:2018/10/26 参考価格: 124,200円