マイルドな打感と高反発へのこだわり「ミズノプロ 719 アイアン」
打ってみると?
試打クラブに装着されるのは、トゥルーテンパーの「ダイナミックゴールド 95」で硬さはS200。90グラム台の軽量スチールシャフトである。
まずは9番アイアンで構えてみると、兄弟モデルの「ミズノプロ 319 アイアン」に比べ、見た目の安心感があり、かつ高弾道をイメージしやすい。
実際に打ってみてもボールは高く打ち出され、スピンが適度に効いた弾道。キャビティバックであるが、マッスルバックのようにフェースにボールが乗る感覚とソフトな打感、軟鉄鍛造ならではの心地良さを味わえる。
続いて7番を打ってみた。こちらも打感はソフトであるが、9番に比べると球離れが少し早く、フェースの弾きが強い。その差はわずかだが、敏感な人であれば、球離れと打感の違いを感じ取れるだろう。好みは分かれると思うが、7番はフェースを肉薄にすることで反発を上げていることが手に伝わってくる。
もちろんフェースの反発の高さは弾道にも影響する。7番のロフト角は32度あるが、打感としてはもっと小さいロフト角で打った時のような強い弾道になった。
弾道計測してみると、打ち出し角は19~20度で、32度のロフト角にしては打ち出しは高くなり過ぎず、スピンが適度に入り、アイアンらしい弾道が安定して打てる。飛距離は普段使っている7番(ロフト角30度)とほぼ同じくらい出て、キャリーが155ydほど出ている。
試打して感じるのがソールの抜けの良さだ。丸みが強めのソールなので、ダウンブローにヘッドを入れてもソールが跳ねる度合いが少なく、スパーンと抜けていく。バウンス角もそれほど強くないので、抜けの良さにこだわる人に好まれそうだ。
兄弟モデルの「319」に比べるとスイートエリアが広く、多少芯を外しても当たり負けしづらく、距離も落ちにくい。芯で捉えた時と、そうでない時の差が少ないので、スコアメイクしやすいアイアンである。
重心距離がやや長めなので、操作性はセミオートマチック。ドロー、フェードを打ち分けられるが、どちらかというと、直進性が強い弾道を打ちたくなる。
「ダイナミックゴールド 95」は軽量で振り抜きやすいシャフトだが、「ダイナミックゴールド 105」に比べるとしなり感が大きいからか、スイングすると実際の重量よりもヘッドが効いた感じになる。トップからダウンの切り返しでは手元側のしなりが控えめで、インパクトゾーンではシャフト先端側のしなり戻りが大きめだ。
「ミズノプロ 719」は8番~PWはソフトな打感でコントロール性を重視し、4番~7番はフェースの弾き感を優先し、やさしく飛ばせる設計となっている。