スコアアップのための実戦型モデル「フォーティーン HI-540 フォージド アイアン」
打ってみると?
試打クラブに装着されるシャフトは「NSプロ 950GH HT」のSフレックス。シャフト重量は100グラム弱と、スチールとしては軽めの部類だ。ワッグルするとシャフトの手元側の剛性が高く、先端側がククッとしなる。
まずは9番アイアンから打ってみた。見た目も手応えも、アイアンではなく完全にユーリティ。ぽってりとしたヘッドで、フェースの弾き感がとにかく鋭い。スピン量に関してはアイアンに近く、スピンがしっかり効いた弾道で、グリーンに止まる球が打てる。
印象に残ったのは、打点の位置でスピン量が大きく変わること。フェースの下の方で打つとスピン量が増え、中央で捉えるとスピン量が減る。打点が上下に5ミリほどずれただけで、2000回転以上スピン量が変わった。打点位置が上下にブレやすい人にとっては、距離感が不安定になる怖さもあるが、上級者が使えばフェウェイウッドのようにスピンコントロールしやすいだろう。
続いて7番を手にすると、これはまさにアイアン型ユーティリティだ。ヘッドの奥行きが深いのでアドレスするとバックフェース側が少し見える。打ってみると球離れが早くボールが鋭く飛び出す。重心が深いので、ストロングロフトのわりには高い打ち出し角で飛距離を稼げる。9番と同様に打点位置でスピン量が大きく変わるので、スピンコントロールがしやすい。
弾道はニュートラル。今どきの大型ヘッドのアイアンに比べると、重心距離がさほど長くないので、ドロー、フェードも打ち分けやすい。球離れが早いが、見た目よりは操作性が高く仕上がっている。
ソールはかなりの幅広でありスクープ気味の形状。ソールの接地面積は広いが、バウンスがついていないので跳ね上がりはほとんど感じない。ダフり気味にヘッドを入れてもソールが跳ねすぎず、ダウンブローにヘッドを入れていくとターフもしっかり取れる。
さらに5番も打ったが、これもアイアンではなく完全にユーティリティ。ロフト角が21度と超ストロングなので、さすがに打ち出し角はそれほど高くない。やや低めの弾道で、落下後にランが多く出る弾道がオートマチックに打てる。地面から打ってボールを高く上げるには、それなりのヘッドスピードが求められるが、手前からランを出してグリーンを狙う人には、使い勝手が良さそうだ。
7番で弾道計測してみると、打ち出し角が17度前後で、スピン量は5300~5800回転。落下後にランが7~8ydぐらい出る弾道が打てるクラブだ。
重心が深いのでミスヒットに強い。芯を外した時は、キャビティアイアンよりもヘッドがブレにくく、安定した距離を得られる。
「NSプロ 950GH HT」は、トップからダウンにかけてはシャフトの中間部分がしなり、インパクトゾーンではシャフト先端側のしなり戻りがやや大きめだ。シャフトの特性も打ち出し角の大きさに影響している。
ヘッドはやや大きめで、超幅広ソール。アイアンとしてではなく、ロフトのバリエーションが増えたアイアン型ユーティリティとして考えると、ミドルアイアンからショートアイアンまでやさしく打てる仕上がりである。
ストロングロフトでも高弾道でグリーンを狙いたい。飛びと弾道の高さを求めるゴルファーとっては、イメージ通りの弾道が打てるアイアン型ユーティリティだ。