マーク金井の試打インプレッション

想定をさらに超えるぶっ飛び弾道「キャロウェイ エピック フォージド スター アイアン」

2019/08/27 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトは、軽量スチールの「NSプロ ゼロス7」で硬さはS。スチールだがシャフト重量は70グラム台と非常に軽い。ワッグルすると中間から先端側にかけてクイクイッと大きめにしなり、Sにしては軟らかく感じるシャフトだ。

まずは9番アイアンから打ってみた。「ビシュ」という弾きとともに、ボールは7番アイアンを打ったかのように鋭く飛び出し、ネットに突き刺さった。それもそのはず、9番のロフト角は34度。ボールの打ち出し角はそれなりに高いが、9番にしてはスピンが少なめの弾道。いわゆるぶっ飛び弾道がオートマチックに打てる。

続いて7番に持ち替えたら、9番よりもさらにぶっ飛び弾道となった。フェースがかなり薄いのだろう、アイアンというよりはドライバーに近い弾きとともにボールが飛び出す。こちらもストロングロフトの効果は絶大で、普段よりも2番手近くキャリーが伸びた。

弾道計測すると、安定してキャリーが170yd近く出ている。7番とは思えない強い弾道で、7番とは思えない飛距離が出る。キャリーで165ydを超え、ランを含めると170ydを軽く超える。5番アイアンの距離を7番で打て、5番よりもボールが楽に上がる。

ミスへの許容範囲も見た目を上回り、左右方向だけでなく、打点の上下のぶれにも強い。フェースが弾くエリアも広いので、打点が多少ぶれても距離の落ち込みが少ない。その半面、フェースの弾き感が鋭いため、微妙な距離調整が難しく感じた。フルショットには適しているが、わざと5ydほど飛距離を落とすといったことをするのは難しいアイアンだ。

弾道はニュートラル。重心距離がさほど長くないので、フェースコントロールがしやすい。ただし球離れが非常に早いので、球筋を打ち分けるイメージがしにくい。

ソールは適度に幅広で、地面との接地面積も広め。バウンス角はそれほど強くないが、ダフり気味にヘッドを入れてもソールがちゃんと仕事をしてくれる。少々手前からヘッドを入れても、ソールが適度に滑ってくれるから、ダフり気味で打っても飛距離が落ちづらい。

7番で弾道計測してみると、打ち出し角が16度前後で、スピン量は4700~5400回転。グリーンに落下後、ランが10ydぐらい出る感じのクラブだ。

装着されている「NSプロ ゼロス7」は、トップからダウンにかけてはシャフトの中間部分がしなり、インパクトゾーンでは先端側のしなり戻りが大きく、シャフトでも打ち出し角を大きくしている。この挙動を考えると、ダウンブローに打つよりも、浅い入射角で払って打ちたくなるシャフトだ。

ヘッドはミッドサイズながらミスへの許容範囲が広い。何より飛距離を出すことをとことん追求したクラブ作りがなされ、9番で7番の飛距離、7番で5番の飛距離を得られる。ヘッド形状にこだわりを持ちつつ、ぶっ飛ぶアイアンを求めるゴルファーには、まさに願ったり叶ったりのモデルだろう。

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キャロウェイ
発売日:2019/08/30 参考価格: 38,880円