マーク金井の試打インプレッション

トッププレーヤーが求める機能を凝縮「タイトリスト T100 アイアン」

2019/10/08 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトはスチールの「AMT TOUR WHITE」で、硬さはS。

まずはピッチングウェッジ(PW)から打ってみた。ロフト角は46度と大きいこともあって、スピンがしっかり効いた高弾道。インパクトではボールを包み込む感触が手に伝わる。キャビティ構造ではあるが球離れは遅め。「718 AP2 アイアン」同様、ソリッドな打感を味わえる。

幅がそれほど広くないソールは、インパクトでの接地感が少なく非常に抜けが良い。ただしバウンス角が小さいので、ダウンブロー軌道でヘッドを入れるとヘッドが深く入る。芝の上で打つと深いディボット跡が残りそうで、地面とコンタクトした際に思ったほどソールが跳ねてくれない。ダフりのミスに対しては、それほど強くなさそうな感じがする。

続いて7番アイアン。こちらもインパクト時のソールの接地が少なく非常に抜けが良い。インパクトの手応えはソリッドで、弾道はストレートから軽いドロー。ロフト角が33度もあるが、打ち出し角はそれほど高くならない。弾道計測してみると、打ち出し角は18~19度で落ちついている。

印象に残ったのがスピン量だ。ロフトが33度あるということもあるが、PWはもとより7番でもスピンの効いた弾道が打てる。スピン量は安定して6300回転を上回り、グリーンにピタッと止まる球が打てる。前作の「718 AP2」と比較しても、明らかにスピン量が増している。単に飛ばすことよりも、グリーンでの止まりやすさにこだわりを感じる。

小ぶりなヘッドの割にはミスに対する許容範囲の広さを感じるが、大型ヘッドのような見た目の安心感や許容範囲の大きさは持ち合わせていない。マッスルバックに比べると、スイートエリアが広めに感じるという印象だ。

操作性は見た目通りに高く、アウトサイドからカットに入れるとフェード、インサイドからヘッドを入れるとイメージ通りのドローを打てる。球を真っすぐ打つよりも、曲げて打つのが得意なアイアンである。

純正装着される「AMT TOUR WHITE」は、オリジナルの「ダイナミックゴールド」に比べると、上の番手では少し軽く、しなりを感じ取りやすい。5番からら7番ぐらいまでは軽くてしなりを感じやすく、高弾道が打ちやすい。挙動は「ダイナミックゴールド」と同じく、切り返しで手元側のしなりを感じやすいタイプである。

前作に比べると、明らかにスピン量が増してグリーンに止まる弾道を打て、マッスルバックに比べるとミスの許容範囲が広め。打感や打音、ヘッド形状にこだわりながらも、番手毎の距離感、スピン性能の高いアイアンを求める中・上級者にとっては、イメージ通りの弾道が打てるアイアンだろう。

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タイトリスト
発売日:2019/08/30 参考価格: 129,600円