SIM ドライバーを筒康博が試打「『M5/M6』より打感が向上」
テーラーメイド「SIM ドライバー」の評価は!?
テーラーメイドの超人気モデル「M」シリーズが「SIM」シリーズとして一新され、発売から約2カ月が経過した。新搭載の斜めに配した「イナーシャ ジェネレーター(ソール後方の出っ張り部分)」について、すでに多くのレビューで意見が飛び交い、効果を実感するという声からあまり感じないという声まで評価が割れている。果たして、その重心効果と空力性能は本物なのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「かなり据わりが良くなった」
―率直な印象は?
「『M5 ドライバー』『M6 ドライバー』までの過去のMシリーズと比べて、かなり据わりが良くなった印象です。また、スイートエリアが広がったことで、打感が大きく向上したように感じます」
―据わりが良い…?
「はい。過去のMシリーズはソール形状に丸みがあり、地面に置いた時にコロンとフェースが右に向いてしまう感じがありました。『SIM』シリーズでは、ソール後方に『イナーシャ ジェネレーター』が付いたことで、その違和感が無くなり、どのような構え方をしても自然とターゲットに合わせやすくなった印象があります」
―打感はどのように向上した?
「上から見た時の、クラウンの丸みの頂点がトウ側に寄っていることで、第一印象では少し違和感を覚えるのですが、実際に振ってみると、まったくそこが気にならない。重量がトウ側に寄っていたり、重心距離が長くて振りにくいということがありませんでした。実際はヒール側に当たっても、トウ側に当たっても、芯に当たった時と差がない。そういう点で、打感が心地良く感じた回数が多い分、打感の向上を実感したのだと思います」
―純正シャフト(TENSEI シルバー TM50)の印象は?
「プロ仕様のイメージを払しょくしてくれる、ハードすぎないイメージをもたせてくれたのは、このシャフトのおかげかも知れません。純正シャフトとヘッドの相性は抜群。意図した通りにしっかりしなりますし、当たり負けもしない。硬さ(フレックス)SとSRの差もちょうど良い具合に、明確に差が感じられるので、選びやすいラインアップといえます」
―「イナーシャ ジェネレーター」の効果は?
「正直もう少し重量があったり、振り心地に影響するかと思っていたのですが、構えた時の違和感もなく、効果をはっきり実感することは無かったです。ただ、逆を言えば、重心が深くなっているのに振った時の違和感がないということで、そこが今回斜めに配置された『イナーシャ ジェネレーター』の空力性能なのかなと実感しました」
―どのような人向き?
「『SIM』と『SIM MAX』の違いは、正直あまり感じられませんでした。目をつぶって打ってみれば、どちらがどちらか分からないくらい…。ただ、『M』シリーズと比べて、打感がマイルドになっていて、やさしい。どちらもプロ仕様、上級者用というイメージをゼロにするモデル。そういう点で考えれば、HS40m/s台であれば、誰でも十分使いこなせるモデルといえます」
3項目4.5点の高評価!【総合評価4.3点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI シルバー TM50/硬さSRとS
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋 専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
※前回まで、3人ともロッテ葛西ゴルフにて、試打を実施してきましたが、今回よりコロナ禍の影響にて、テスト場所をそれぞれ変更して行っていきます。データに大きく影響する部分も多々ございますが、ご了承して見ていただけると幸いです。
■ 筒 康博 プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。