クラブ試打 三者三様

egg エクストリームを西川みさとが試打「意外とシンプル」

2020/05/12 05:00

プロギア「egg エクストリーム ドライバー」の評価は!?

『飛ばすヘッドは、骨格から違う』というPRメッセージで、徹底的に軽量化したボディに重量を綿密に配分した「egg エクストリーム ドライバー」。特大の慣性モーメントと深重心を達成したという新eggをピックアップし、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「強い特性よりスタンダードに近い…」

―率直な印象は?
「『egg』シリーズは、そもそも革新的というか斬新というか、他ブランドとは少し違った特徴的なモデルが多いですが、今回の『egg エクストリーム ドライバ―(以下エクストリーム)』は、スタンダードに近い印象があります。強い特性を打ち出しているというより、総合的に平均的なモデルに近い感じがしました」

「X」と書いて「EXTREME」と読む? シャープなロゴマーク

―平均的モデルに近い?
「はい。飛距離、つかまり度、見た目の大きさ…など、どれか1項目だけにものすごく特化しているというモデルではなく、いろいろな要素の必要な部分だけを残したシンプルな印象です。目立つ項目を強く示しているというより、つかまり度が平均的に高めで、やさしく飛ばせるモデルではないかと思います」

「ネックのグース部分以外はシンプル」と西川

―見た目の印象も平均的?
「ネックの形状には特徴があり、フェース面のネック側にある凹みによって、少しグースが付いているように見えます。この点で見た目からして、つかまりの良さが伝わります。ただ、それ以外のトウ側の造りや、全体的な形状は意外とシンプル。見た目だけでいうと、予想していたよりアスリート向けモデルに近いような気がしました」

全体的にシャロー(低い)設計で低重心であることが分かる

―「NEW egg 5500 ドライバ―(以下5500)」と比べてどう?
「『5500』と比べると、『エクストリーム』はヘッドに丸みがある形状で、スッキリとしているように見えます。構えやすさでいうと『エクストリーム』のほうが、アドレスした時にスッと入ることができるシンプルさを感じました。実際打ってみると、打感はどちらも同じく、少しやわらかさがある適度な感触が残り、“キンキン”といった弾きの強い硬さは感じられませんでした」

後方には『タングステン』の文字が… 分かりやすい

一実際の弾道も同じ?
「弾道は『5500』より、つかまり感は結構、強い印象です。右へのミスが出る雰囲気は一切なく、ほとんど強めの低弾道で、左への球筋が多かったように思います。うまく出球を右に出せれば、飛距離の数値も上がってくるような…。私の場合は、左へのミスをいつも怖がっているスイングのため、つかまり感が強いモデルですと、どうしても苦手意識が生まれてしまい…。あと高さも、もう少し欲しいように感じます」

やや低め左方向の弾道が多かった…

―どのような人向き?
「やさしいモデルではありますが、ものすごくやさしいという感じではないと思います。HSはある程度速くないと、対応できないモデルかもしれません。最低でも私のHS(平均35~36m/s)より高くないと、ボールの高さが出せず、厳しいかも…。やはり40m/s前後のゴルファーで、右方向へのミスが多い方。特にスライサーで、いまより飛距離を伸ばしたい人が主なターゲット層といえそうです」

全項目でややシビアな点数… 【総合評価3.3点】

【飛距離】3.0
【打 感】3.5
【寛容性】3.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:egg オリジナル/硬さR(M-37)
・使用ボール:昭和の森ゴルフドライビングレンジ 専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、昭和の森ゴルフドライビングレンジ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。