egg エクストリームを筒康博が試打「前に飛ぶegg」
プロギア「egg エクストリーム ドライバー」の評価は！？
『飛ばすヘッドは、骨格から違う』というPRメッセージで、徹底的に軽量化したボディに重量を綿密に配分した「egg エクストリーム ドライバー」。特大の慣性モーメントと深重心を達成したという新たなeggをピックアップし、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか！？
「上？ 左？ …いいえ、前に飛ぶ」
―率直な印象は？
「構えた時から感じるつかまり感、実際打った時に感じるつかまり度。とにかくつかまる要素が詰まったモデルという印象が強いです。ここ2～3年の『egg』シリーズの弾道は、上に高さが出やすかったり、左につかまりが良かったりというモデルが多かったのですが、この『egg エクストリーム ドライバー(以下エクストリーム)』は前に飛ぶつかまり感、前へ前へ飛ぶモデルというイメージに変わった気がしました」
―前に飛ぶ…？
「はい。飛距離性能というか、ボール初速の速さと強さがかなりアップした印象です。打感も非常に力強い。過去のシリーズ作で一番飛ぶのではないかと思えるほど。打ち出し角とスピン量を抑えた点では、本来(2～3年以上前)の『egg』に戻った印象を受けました。ですが、見た目の割に慣性モーメントは、ここ最近のモデルより高く感じられませんでした」
―慣性モーメントは高くない？
「球筋を打ち分けようと試みたのですが、結果的にすべてドローになってしまいました。ドローになるということは、無意識にヘッドがターンしているということ。ですから、ストレートボールの出やすさより、ヘッドが返る力が強い。形状的には投影面積も大きめで慣性モーメント値は高いはずなのに、それ以上につかまるドローバイアスの度合いが強いということなのだと思います」
―純正シャフト(egg オリジナル)の印象は？
「HSを上げやすいシャフトです。速く振れなくても、インパクトゾーンでヘッドが返ってくれる動きを助けてくれるので、HSも上がります。ただ、シャフトの特性というよりは、ヘッド自体のつかまる要素が勝っている印象。それをシャフトがより助けているので、ある程度真っすぐ飛ばせたり、左へのミスが怖い人や引っかけが出てしまう人には、合わない組み合わせといえるかもしれません」
―最近のモデルでの対抗馬は？
「ヤマハの『RMX 220 ドライバー』、グローブライドの『オノフ ドライバー 赤 RD5900』といったところだと思います。最近のスライサー向けモデルとしては、この3モデルが特筆した存在かなと。見た目の安心感、つかまり具合をとってみても、右へのミスに悩む人にとっては、この3機種のうちどれかにマッチすると思われます」
―どのような人向き？
「とにかくドロー弾道で、前に前に飛ばしたい人。スライサーというか右へのミスに悩んでいる人向けです。コンセプトが明確で、逆を言うとそれ以外の人には合わないことが多い。ただ『egg』は元々そういうブランドで、エッジを効かせたモデルが多く登場し、こういう人のために作りましたという強いメッセージがある。原点回帰したモデルといっても良いかもしれません」
高低差のあるeggらしい評価… 【総合評価3.7点】
【飛距離】5.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】2.0
【構えやすさ】2.5
・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：egg オリジナル／硬さSR(M-40)
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋 専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博（つつ・やすひろ） プロフィール
スイングとギアの両面から計測＆解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。