本間TR20を筒康博が試打「440と460が同じ性能」
本間ゴルフ「ツアーワールド TR20 460 ドライバー」の評価は!?
本間ゴルフのツアーモデル「TW ツアーワールド」から、日米共同開発された「TR20」シリーズ。ヘッド素材のカーボン占有率を60%にまで上げ、反発力を爆発させて高初速を生み出すというモデルだ。今回は「460」をヘッド体積の小さい「440」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「マッスルバックのような操作性と打感」
―率直な印象は?
「本間ゴルフの過去のドライバーの中でも断トツに高評価でした。軟鉄のマッスルバックアイアンを使っているような操作性と打感の良さを感じました。クラブにこだわりを求める人が好みそうな要素が詰まったモデルだと思います。特に中音の心地良い打音と、やわらかくボールを押し出していく打感が秀逸でした」
―「440」との違いは?
「『460』と『440』はサイズもシルエットも違いますが、寛容性が同じというのが、とても面白かったです。一般的に大きいサイズのほうが寛容性があり、操作性が落ちるはずなのですが、『460』は寛容性があるのに、操作性も『440』並みにある。逆に『440』は『460』と同じ寛容性がある。飛距離も含めて、両モデルで評価が一緒というのが、とてもユニークでした」
―評価が一緒でユニーク…?
「はい。分かりやすくアイアンに例えると、シャープなマッスルバックだから、ミスが起こりやすいということはなく、安心感がもてるキャビティバックだから、打感が悪いということではない。『460』『440』ともに、長所をしっかりもっていながら、短所が同じくらい少ない。それぞれ選びやすいほうを選べる、という点で完成度の高さを感じさせてくれました」
―短所が少ない?
「明らかに少ないと思います。ただひとつ言えば、シャフトのデザインは絶対的に黒いカラーのほう(VIZARD TR20-50)を選ぶべきだと思います。黒ヘッドの精悍なボディと合わせるなら、絶対に赤いシャフト(VIZARD FD 5)より合うと思うからです。え、趣味の問題? いえいえ、性能はほぼ同じでしたので、あとは色味のイメージがかなり影響するような。イメージは重要な項目です(笑)」
―対抗馬となるモデルは?
「ウーン…、対抗馬という観点で言うのは難しいですが、意外とテーラーメイド『SIM ドライバー』『SIM MAX ドライバー』をライバルに入れても良いかもしれません。コンセプトも、設計も、つくり方も大きく違いますが、騙されたと思って一度打ち比べてみていただきたい。そのくらい極端に違いますが、どちらも完成度が高いモデル。先入観をもたずに打ち比べてもらいたいです」
―どのような人向き?
「難しいなー……。ずばり格好良いゴルフをしたい人ですかね。スイングも最新トレンドを研究して、道具にもこだわりをもっていて、情報を自ら取りにいく人。そんなアスリート志向の強い人に使ってほしいと思います。スコアもHSも関係ありません。それにしっかり応えてくれる安心感と操作性をもち合わせたモデルだと思います」
「打感」満点を含む、高い総合点!【総合評価4.4点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:9.5度
・使用シャフト:VIZARD FD 5/硬さS
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋 専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博 プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。