クラブ試打 三者三様

スピーダー エボリューション 7を筒康博が試打「タメが作れるエボ」

2020/11/19 05:00

藤倉コンポジット「スピーダー エボリューション7」の評価は!?

国内女子ツアーでは高い使用率を誇る藤倉コンポジットの「スピーダー エボリューション」シリーズ最新作「スピーダー エボリューション 7」(以下エボ7)。最新のドライバーヘッドに合わせた剛性設計となっており、新感覚のつかまりを体感できるという。そんな新たな走り系シャフトを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「あえて言うと粘っている印象」

―率直な印象は?
「【走り感】の評価が4.0点(5点満点中)になったのは、決して走り感が減ったわけではなく、あえて言うと、ダウンスイング時に粘っている印象を受けたからです」

30g台の「351」から70g台の「757」まで幅広いラインアップ

―走り系の代表「スピーダー」シリーズなのに…?
「あえて言えば、…です(笑)。厳密に言うと、しなり始めのタイミングが早くなったということです。これまでの『スピーダー』シリーズはインパクト前後で一気に走るタイプでしたが、『エボ7』はダウンスイングの途中からしなり始め、強いしなり戻りで走っていく。しなり始めが早い分、あえて言うと、粘っている感覚を受けるのです」

超高弾性炭素繊維平織シート「70tカーボンクロス」を採用

―確か『エボ5』の系譜で、走り感が強いモデルでは?
「そうですね。インパクト前後に入る前には、確実に走っている感覚はあります。また、HSは上がるため、走る走ると感想を述べる人は多いかもしれません。HSはインパクト直前での速さで計測されるので、高い結果が出ると思います。ただ、私の印象では、少し『スピーダー』シリーズのヤンチャな部分を、マイルドにした感覚がありました」

シリーズ過去モデルの特性にはない先端剛性

―マイルドということはクセが無い?
「いいえ。通常ならば、マイルドになると飛距離が落ちたり、特長のないモデルになってしまうのですが、『エボ7』はギュンと走る上に、インパクト時に先端側が暴れない。手元側がシャキッとしていて先がビューンという感じではなく、早いタイミングにしなることで、これまでの『スピーダー』シリーズの中で一番タメが強く、トップで間が取れるモデルに仕上がっていると言えます」

他社モデルと同じく最新ヘッドに合わせた剛性設計を構築

―相性の良いヘッドは?
「マイルドになったことで、高慣性モーメントの大型ヘッドである、最新モデルのどのタイプと合わせてもマッチしそうです。その中でも先が暴れず操作できるという意味で言うと、ブリヂストン『ツアーB X ドライバー』や、ダンロップ『スリクソン ZX5 ドライバー』といった、重心がやや高めのゲンコツ型ヘッドに合わせてみると面白いと思います」

「真ん中から先端側の硬さが強い」と説明する筒

―どのような人向き?
「これまで『スピーダー』シリーズを敬遠していた人に、ぜひ試してもらいたいです。『スピーダー』シリーズが苦手な人は、フォローでグイッと突っ走る感覚が好みではないという点が、大きな理由だったと思います。その点で『エボ7』はインパクト直後の暴れる感じがないので、違和感なく使いこなせるシャフトになってくれるでしょう」

エボの新境地に高得点!【総合評価4.3点】

【走り感】4.0
【粘り感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【デザイン】4.5

・使用モデル:スピーダー474 エボ7(硬さ:SR)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM MAX ドライバー(ロフト角:10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、市川サンライズゴルフセンター

■ 筒 康博 プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

藤倉コンポジット
発売日:2020/09/03 参考価格: 44,000円