クラブ試打 三者三様

インプレス UD+2 ドライバーを西川みさとが試打「+方向性で正統進化」

2021/01/26 05:00

ヤマハ「インプレス UD+2 ドライバー」の評価は!?

“プラス2番手”の飛びを提供するヤマハ「インプレス UD+2 ドライバー」。昨年10月に発売された2021年モデルは、クラウンとソール両面に、深さ1.5mmのボックス状の凹み「スピードボックス」を配し、フェース周辺の剛性を高め、初速アップを図った新テクノロジーを採用した。そんな革新構造のモデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「過去モデルと比べてスピード感は一番」

全体的に弾道はやや高め。方向性◎なのも分かる

―率直な印象は?
「過去の『UD+2』シリーズ(2017年モデル19年モデル)の良さを引き継ぎながら、トータルでの性能が一段上がった印象を受けます。『スピードボックス』の入ったデザインを見ただけで、初速を出すために開発された雰囲気が、ひしひしと伝わってきます」

ヤマハが特許出願中の「スピードボックス」

―初速性能がアップしている?
「はい。初速のスピードが速くなったことは、数字的(平均50.7m/s)にも、感覚的にも感じられました。ただ、打感はそれほど硬すぎず、フェース面の程よい弾き感を覚えます。インパクト時の球離れも速すぎず、遅すぎない、適度に弾道をコントロールできる操作性も同時に感じることができました」

フェースのネックにつながる部分がやや凹んでいる印象

―見た目の印象は?
「グースネック(シャフト延長線上よりフェース面が後方に下がった構造)の印象が強く、少しだけ違和感を覚えます。ただ、それも慣れてくることで、全く問題なく扱えます。私が現在使用しているモデル(ピン『G410 PLUS ドライバー』)はストレートネックに近いので、戸惑ってしまっただけだと想像できます」

6-4チタン素材を使用したシンプルなフェースデザイン

―前作「19年モデル」と比べてどう?
「両モデルを比較して打ってみると、若干の操作性の違いを感じます。同じようにつかまりは良いのですが、21年モデルのほうが、ややつかまり感は抑えめ。結果的に前作は全てボールが左に曲がってしまったのに対し、新作は結果がすべてストレート弾道になるように、ヘッド軌道を微調整しながら操作することができました」

バックウエイトはヒール寄りのみに装着

―ドローヒッターの西川さんでも扱える?
「そうですね。前作と同じつかまり具合に加え、振りやすさが向上して、ある程度ボールをイメージした通りに打ち出せます。個人的な好みで、グースネックの形状は、少し構えづらかったのですが(【構えやすさ】3.5点)、徐々にそれが気にならなくなるような使用感。左へのミスが怖いドローヒッターでも、十分コースで扱えるモデルと言えます」

「前作より左に行く傾向が弱まった」と西川

―どのような人向き?
「一般的なHS40m/s前後の男性ゴルファーでももちろん扱えますが、ミスヒットの許容性ややさしくつかまる特性を考えると、非力な女性やシニアの方でも問題なく使えると思います。え? 前作と全く同じコメント?(爆笑)。同名シリーズで急に上級者向けにはならないですし、コンセプトがブレていない証拠。操作性は改善されているので、まさに正統進化と言えるのではないでしょうか」

4点が並ぶ平均的な得点【総合評価3.9点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト:Air Speeder for YAMAHA M421d(硬さR)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、市川サンライズゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ヤマハ
今日イチが、連発する。
発売日:2020/10/16 参考価格: 88,000円