クラブ試打 三者三様

ミズノ ST-X ドライバーを西川みさとが試打「ST-Zとの差が少ない」

2021/04/13 05:00

ミズノ「ST-X ドライバー」の評価は!?

昨年登場したミズノ「ST200」シリーズに続き、新たにラインアップに加わった「ST-X ドライバー」「ST-Z ドライバー」。中でも、原英莉花西郷真央らが投入した「ST-X」はつかまりの良い構造で、アベレージゴルファーの強い味方となり得るモデルだ。そんな注目ドライバーをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「シンプルで精悍な見た目は◎」

「つかまらない…」と言いつつ何とか方向を合わせていた西川

―率直な印象は?
「ネックからヘッドにつながるラインがスッキリ見えるので、とても好印象に映りました。他社と比べてスリーブが短く細めで、ヘッド全体の軽さを演出しているように見えます。実際のヘッド重量は、それほど軽くはない(総重量:約285g)ですが、構えた感じでは軽快さが伝わり、とても構えやすいシンプルな見た目をしています」

商品リリースには『つかまりのX、直進性のZ』と表記されている

―ヘッドの形状自体もスッキリしている?
「そうですね。全体的に丸みは帯びていますが、トップラインはそれほどラウンド(曲がりの度合い)がキツくなく、精悍なフォルムをしています。他モデルを見慣れたゴルファーでも、違和感なく構えられる印象。やさしさも操作性も、どちらも感じられるバランスの取れた良い顔をしています」

ネックが短い点とシルエットの構えやすさを評価

―「ST-Z」と比べてどう?
それほど大きな違いはなかったです。両方とも打感は硬すぎず、やわらかすぎず、ちょうどいい感触。厳密に言えば、『ST-Z』のほうが少しやわらかい印象もありましたが、概ねそれほど大差はありません。ただ、両モデルともスピン量が少なく、ボールが上がり切らない点も共通しています。シャフトのしなりはしっかり感じられたので、単純にロフト角10.5度が高さを出すのに足りないのかなと思いました。正直、12度ぐらいに設定すればベストなモデルと言えそうです」

ソールのトウ部分に大きなカーボンパーツを配置

―ロフト角は立って見える?
「いえいえ、全く立っているようには見えません。むしろ上から見た時に、しっかりフェース面が確認できます。見た目の印象ではやさしく、ボールが楽に上がるように見えるのですが、実際に打つと上がり切らない…。何故なのでしょう? 要因が分からず、最後まで不思議な気持ちでボールの行方を追っていました」

「ST200」同様に高反発βチタン(2041Ti)を採用したフェース

―以前ミズノのドライバーを使っていたと聞きましたが?
「はい。十数年前に『JPX』シリーズを使っていました。『JPX』は大きさに安心感があり、やさしいモデルとして、とても扱いやすかったのですが、『ST』シリーズはだいぶ操作性が増しているように感じます。ただ、同社のツアーモデルであった『MP』シリーズと比べれば、オートマチック感は増したことが分かります」

「XもZもどちらもスピンが少なかった…」と西川

―どのような人向き?
「見た目はやさしい印象ですが、実際は難しく感じられたので、HSは最低でも40m/sは必要だと思います。私のHS(平均35~36m/s)ではボールが上がらない。逆に、HSが速くてスピン量がいつも多く出てしまい、弾道が高すぎて困っている人に向いていると言えます」

前作ST200(4.1点)よりダウン【総合評価3.9点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト:20 MFUSION D(硬さSR)
・使用ボール:ドリームゴルフガーデン専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ドリームゴルフガーデン

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ミズノ
発売日:2021/03/12 参考価格: 71,500円
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