クラブ試打 三者三様

レジオ フォーミュラ MB+を西川みさとが試打「走るし、粘るし」

2021/06/08 05:00

日本シャフト「NSプロ レジオ フォーミュラ MB+」の評価は!?

軽量スチールシャフトの雄・日本シャフト「NSプロ」から展開されているウッド用カーボンモデル「レジオ フォーミュラ」シリーズ。2014年の「M」を皮切りに、15年に「B」、16年に「MB」を発売。さらに飛距離性能を特化させた「M+」「B+」に進化し、ことし「MB+」が登場した。そんな「+」シリーズのトリを飾る最新モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「いいとこ取りした不思議なシャフト」

低弾道ではあるものの方向性と飛距離は申し分なし

―率直な印象は?
「走り系なのか、粘り系なのか、はっきりと言えない感覚がありました。両方の系統のいいとこ取りをしているような、不思議な特性を感じます」

叩けるフィーリングと爽快なスピード感を兼備したMB+

―両方のいいとこ取り…?
「はい。私が使用した『TYPE45』は、重さが40g台なので、軽快さがあるぶん走り感のほうが上回っている感覚がありました。ただ、これが50、60g台であれば、もう少し粘り感が出てくるので、走り系・粘り系のどちらの要素も持っている特性ではないかと思うのです。『これは何調子?』と聞かれたら、はっきり明確に答えられる人は少ないと思います」

ラインアップはTYPE45~75まで。今回は「S45」を試打

―最近のシャフトの流行を踏まえている?
「そうですね。いまの多くのモデルは、走り系・粘り系と両極端に振り切っているモデルが少ないので、そういう意味で流行を踏まえているのかもしれません。走りすぎず、粘りすぎない。逆を言えば、走ってしかも粘るという特性を、うまく表現していると言えます」

前作「MB」は黄色を前面に打ち出したデザインだった

―前作「NSプロ レジオ フォーミュラ MB」と比べてどう?
「実は以前『NSプロ レジオ フォーミュラ B』を使っていたのですが、『B』は走り系っぽい、先がかなり動くシャフトでした。それに比べて『MB』は、これまでの同社モデルの中では一番適度にバランスの取れたモデルという印象。『MB+』はその流れをしっかり継いでいて、誰もが扱いやすいモデルに仕上がっています。操作できる感じも、叩けそうな感じもあり、今回の『SIM2 MAX ドライバー』のヘッドに非常に合っていたと思います」

前回「手ごたえが欲しい」と言っていたSIM2 MAXとの組み合わせは?

―どのような点が合っていた?
「純正シャフトで『SIM2 MAX』を試打した際は、全体が粘っていたので、インパクト時にヘッドをあまり押せなかったのですが、今回の組み合わせでは、ちょうどいいタイミングで押せている感じがありました。弾道は高くはなかったですが、ランが出そうな強い低弾道。慣性モーメントが大きいやさしいタイプより、操作性が効く上級者向きヘッドのほうが合うのかもしれません」

「手元側で粘って先端側で走る感じが不思議」と西川

―どのような人向き?
「40g台であれば、硬さSでもしなってくれるので、女性ゴルファーでも問題なく扱えると思います。男性ゴルファーであれば、どのようなレベルでも重量を調整すれば必ず自分に合ったモデルを見つけられるので、誰にでも合う=使う人を選ばないモデルと言えそうです」

走り感・粘り感どちらも4.5点【総合評価4.3点】

【走り感】4.5
【粘り感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【デザイン】4.0

・使用モデル:TYPE 45(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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