クラブ試打 三者三様

プラチナム スピーダーを筒康博が試打「ネーミングに偽りなし」

2021/06/24 05:00

藤倉コンポジット「プラチナム スピーダー」の評価は!?

藤倉コンポジットが得意とする走り系のコンセプトを継承し、最先端のカーボン繊維で仕上げた2代目「プラチナム スピーダー」。初代2015年モデルはいまなお“軽硬”の代表モデルとして人気だが、さらにその上をゆく弾き感とフィーリングを生むという。そんな同社が誇る弾き系シャフトをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博の評価は?

「走り感は文句なし!満点評価◎」

飛距離、方向性ともに満足のいく結果に

―率直な印象は?
「まさに『プラチナム スピーダー』というネーミングに偽りなし! インパクトゾーンにかけてしっかりとしなり戻りが感じられ、走り感は文句の付けようがない満点評価です。“プラチナム”という名にふさわしい優秀な特性を感じることができました」

超高弾性「90tカーボン」を積層することで加速感とインパクトの強さを実現

―優秀な特性…?
「はい。単にビュンビュン走るというわけではなく、切り返しからダウンスイングにかけて、シャフト全体の運動量が大きく、粘り感も少しだけ感じられるバランスが秀逸です。本当にムチのようにブワッと大きく動くシャフト。スイング中に復元力の高さを感じられるので、十分なしなり量を飛距離に生かせていることが実感できます。しかも、インパクトで当たり負けしないところが、まさに“プラチナム”な優秀さを感じたポイントです」

ホログラムの鮮やかなメインロゴの裏面にもシックなロゴが

―前作2015年モデルと比べてどう?
「カスタムシャフトのラインアップで、いまはもう“軽硬”は定番化していますが、前作はそのパイオニア的存在だったと記憶しています。“軽硬”モデルの元祖ということで、手元側が硬く、しっかり感があり、やわらかい先端側との差が大きい。今回のモデルは手元だけが硬い、先だけがやわらかいということがなく、中間部の広いエリアでしっかりとしなります。最新の大型ヘッドとの相性を考慮し、シャフトの設計を見直した結果と推測します」

最新ヘッドとの相性を考慮してイマドキの“軽硬”に進化

―前作は手元側が硬すぎる?
「そうですね。新作と比べてすごく硬い印象があり、切り返しでハードに感じる人は多かったかもしれません。21年モデルは手元が硬いわけではなく、中間から先端にかけてしっかりしなってくれるので、ヘッドが動いているフィーリングを実感できる。その分、扱いやすい印象を受ける人は多いように感じます」

30g台の超軽量モデル3Rから70gの6Xまで豊富なラインアップ

―『スピーダー エボリューション』シリーズと比べてどう?
「同社製『エボ』シリーズは、すでに7作目『スピーダー エボリューション 7』まで続く熟成されたブランドで、走り系でも総合的にバランスの取れた特性となっていますが、『プラチナム』はもう少し飛距離特化型と言えます。どんなヘッドにも、誰が振っても『スピーダー』特有の振り心地を体感できる『エボ』シリーズに対して、『プラチナム』はもう少し自分で強振させたい、もっと飛ばしたいという、“プラスアルファの欲”を可能にしてくれるモデルという印象です」

「HSの速さは関係なく大きなしなり量を感じたい人向き」と筒

―どのような人向き?
「HSをいまよりもっと速くさせて、飛距離アップを望んでいる人向き。良くも悪くも、好き嫌いがはっきり分かれるモデルなので、合う合わないの判断はしやすいと思います。合う人からすると、確実にHSが上がり、ボールが高く上がるようになり、つかまるようになって、飛距離が伸びる…といった具合に、多くのメリットを得られるでしょう」

走り感満点+粘り感も4.5点【総合評価4.4点】

【走り感】5.0
【粘り感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【デザイン】4.5

・使用モデル:PLATINUM SPD 3、4(どちらも硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。