クラブ試打 三者三様

ステルス HD ドライバーを万振りマンが試打「スピン過多で吹け気味」

2022/01/29 10:30

テーラーメイド「ステルス HD ドライバー」の評価は!?

発表直後から人気が過熱し、予約が殺到中というテーラーメイド「ステルス」シリーズ。今回はそのハイドローモデル「ステルス HD ドライバー」をピックアップする。スタンダードの「ステルス ドライバー」よりもつかまりが良いドローバイアス設計と想定できるが、果たして実際の性能は!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「このままでは厳しい」

狙い通りのドローはかかるものの高さに不満が集中

―率直な印象は?
バックスピン量が多い(平均3793rpm)という点に尽きます。ボールが吹け上がりすぎて、思うように前に飛んでいないように感じました。私のHSで適正弾道を生むには、ロフト角選びやカチャカチャ機能、またリシャフトで、いろいろと調整する必要があるように感じます」

試打クラブは10.5度。9度であればまた別の結果になったかも

―吹け上がりすぎ?
「はい。トラックマンの数値で4000rpmに近いとなると、ほとんどアイアン並みなので、ドライバーとしては致命傷になりかねません。やはり適正量の2000~3000rpmで、高さをもう少し抑えた弾道で打ちたくなるモデルという印象を受けました」

ハイドローバイアスで寛容性を向上させた設計

―要因は重心位置?
「そうですね。考えられるのは、軽量化されたカーボンフェースを使用したことで、余剰重量を後方に配分していると思うのですが、『HD』はシリーズの中でも一番重心が後方に位置していて、球を上げやすく設計されている分、このような結果になったのかなと思います。同社製のドライバーは“低スピンで高い球”という印象が強かったので、ここまでスピン量が多いと、イメージまで変わってくるような気がします」

「ステルス」スタンダードより軽めの打感。シリーズごとに印象は異なる模様

―打感の印象は?
「打感はひと言で軽いです。平均HS50m/s以上で振ると、当たり負け感が出てしまいます。軽快に振れるモデルとも言い換えられますが、パワーに自信のある人が振ると、どうしてもスイングの勢いに負けて強振がしにくい。調整するなら、先が硬めのしっかりしたシャフトを挿れたいところです」

TENSEI RED TM50(重さ約57g、トルク4.3、バランスD3、中調子 ※全て硬さSの場合)

―具体的なモデルを選ぶなら?
「藤倉ゴム工業の『VENTUS』のような、先が硬めのモデルを合わせたほうが、強い球になりやすいと思います。また、シャフトが長めだとスピンが入りやすいので、自分に合ったモデルのままで、短くカットしてもいい気がします。しなり量を抑え、アタックアングル(インパクト時のヘッドの上下動)の動きを抑制できれば、モデルに関係なくスピンは抑えられると思います」

「性能云々というよりHSと合っていないだけ」と万振りマン

―どのような人向き?
「バックスピン量が多く、曲がり幅が少なかったので、方向性を重視した一般的なHSの速さ(30m/s台後半~40m/s台前半)のアベレージゴルファー向け。特にドライバーの弾道が低く、思うように飛距離が出ないと悩んでいる人に使っていただきたいです。シニアや女性ゴルファーでもキャリーで距離を稼げる分、ラウンドを楽にしてくれると思います」

「ステルス」(4.3点)よりダウン【総合評価3.9点】

【飛距離】3.5
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト:TENSEI RED TM50(硬さS)
・使用ボール:メトログリーン東陽町専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、メトログリーン東陽町

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

テーラーメイド
発売日:2022/02/04 参考価格: 86,900円