クラブ試打 三者三様

ローグ ST MAX D ドライバーを筒康博が試打「『D』の名称通り」

2022/02/17 05:00

キャロウェイ「ローグ ST MAX D ドライバー」の評価は!?

初速性能と慣性モーメントを高めたキャロウェイ「ローグ ST」シリーズ。今回は、その中でもドローバイアス設計で、よりつかまり具合を高めた「ローグ ST MAX D ドライバー」をピックアップする。果たして、新「ローグ」が目指した“やさしさ”とは、どのレベルのゴルファーに向けたものなのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は?

「カスタムするほうが難しい完成度」

スイングに合っているのか理想的な弾道で飛んでいた

―率直な印象は?
「『MAX D』という名称の通り、ドローバイアス設計そのものという印象です。構えたときの安心感、握った瞬間からヒール側に重量を感じる点、スイング中のフェースターンのしやすさ、結果的にハイドローが打てる点。ネーミングを全く裏切らない、名称そのものの性能に仕上がっています」

後方11gタングステンウエイトのほかにヒール側にも装着

―ネーミングを裏切らない…?
「はい。『MAX』『MAX D』『MAX LS』『MAX FAST』と似たモデル名が並んでいますが、これだけ性能が差別化できていれば、混乱することもないでしょう。中でも『MAX D』は、ボールをつかまえたい人にとってはいいドライバー。逆につかまりを抑えたい人にとっては、こんなにつかまらなくてもいいと思えるドライバー。それだけ各々の個性が立っていて、シリーズ内で選びやすくなっています」

シリーズ一番のウリであるボール初速向上を生む新AIフェース

―シャフトの印象は?
「純正シャフトの『VENTUS』は、ヘッド挙動の安定感があり、既存の『VENTUS BLUE』『VENTUS BLACK』のようなハードさは全くありません。すごくヘッドとの組み合わせのバランスが取れていて、ヘッドの個性だけが際立つセッティングに仕上がっています。購入したあと、カスタムするほうが難しいと感じてしまうほどの完成度です」

重さ:約52g、クラブ重さ:約307g、トルク:4.5、中調子 ※全て硬さSの場合

―同時期発売のテーラーメイド「ステルス」と比べられると思うが?
「そうですね。これまでの過去モデルの対比で考えると、今作はパッとすぐにどちらかを選べるモデルだと思います。ボール初速とともに寛容性も高めた『ローグ ST』と、革新的なテクノロジーで飛距離を求めた『ステルス』。ターゲット層もコンセプトも違うので、とても明確にその差を感じられると思います」

トライアクシャルカーボンや空力を考慮したヘッドシェイプも採用

―気になる点は?
「『ローグ ST』シリーズはどれをとってもミスヒットに強く、打点や打ち出し角がバラついたとしても弾道が暴れません。その半面、『エピック』シリーズと比べると一発の飛びの威力は感じない。1球のみの試打ではなく、最低でも5球くらい打ったときの平均点の高さで選んでほしいです。飛ぶ飛ばないよりも、ラウンドを想定した総合的な判断で買い求めてほしいと思います」

「最適な重心距離と重心角でつかまり過ぎる懸念点も解消されている」と筒

―どのような人向き?
「ゴルフを始めたばかりの方に、『どんなドライバーがいいの?』と聞かれたら真っ先におすすめできるモデル。昨年までであればピン『G425 MAX ドライバー』や『G425 SFT ドライバー』、テーラーメイド『SIM2 MAX ドライバー』といったところになると思いますが、22年モデルを含めるなら、この『ローグ ST MAX D』も確実に入ってくる。それほどやさしくて、オートマチック感が強いモデルです」

MAXと同じく平均点が高い!【総合評価4.4点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・シャフト: VENTUS 5 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。

キャロウェイ
発売日:2022/02/25 参考価格: 86,900円