クラブ試打 三者三様

ステルス アイアンを西川みさとが試打「超やさしいわけではない」

2022/03/08 05:00

テーラーメイド「ステルス アイアン」の評価は!?

1月の発表以来、注目を集め続けているテーラーメイド「ステルス」シリーズ。ギアファンの話題を独占しつつあるドライバーとともに、気になるのは同時発売の「ステルス アイアン」だ。ウッド同様に、革新的な性能が盛り込まれているのか!? そんな期待が高まる同社の自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「見た目と性能にギャップあり」

曲がらず正確無比なショットを連発

―率直な印象は?
「アドレスして上から見たときと、実際に試打を行ったあとの印象では、かなり違うものがありました。見た目と性能にギャップがあるように感じられます」

キャッチコピーは『スコアメイクの武器に ステルス アイアン』

―見た目と性能にギャップがある?
「はい。上から見た印象はトップブレードの幅が厚めで、程よくグースも入っており、十分なやさしさを感じます。しかし、打ってみると明らかにやさしいという感じはなく、中級者向けのモデルという印象を受けます」

厚みのあるトップブレードと程よいグース

―中級者向けの要素はどのあたり?
「純正シャフトに『KBS MAX MT85 JP(約109g)』を採用していることもあり、楽につかまってボールが簡単に上がるタイプではないという点です。より軽いカーボンシャフト『TENSEI RED TM60(約68g)』であれば、また印象は変わるかもしれませんが、ややクラブ全体の重さが感じられます。海外ブランドということもあり、シャフトがしっかりした特性ということで、ある程度しっかり振り切れるゴルファー向け。HS30m/sにはややシビアさを感じるモデルのような気がしました」

トウ側の約10gの金属を取りのぞき余剰重量を生む「トウラップテクノロジー」

―同シリーズのドライバーやFWとは印象が違う?
「同シリーズのウッド『ステルス ドライバー』『ステルス HD ドライバー』『ステルス プラス ドライバー』『ステルス フェアウェイウッド』の流れでいうと、イメージは全く別です。基本的にツアーモデルで中上級者向きのウッド群とは違い、見た目はやさしさが含まれていて初級者向け。実際に振った印象はややシビアなのでターゲット層は重なるのですが、入り口が違うため、コンセプトや特色は異なるように感じました」

フェース下のミスヒットをカバーする「貫通型スピードポケット」は健在

―同社「P700」シリーズと比べると?
「シリーズの中でも、特に『P790 アイアン』は見た目は難しそうですが、打ってみると中空構造で楽に弾道を高く上げられ、飛距離も予想以上に稼げます。『ステルス アイアン』とは逆で、見た目はシビアだけど性能はやさしい。振り心地は『P790』のほうが軽めで、しかも見た目は小ぶりで操作性の高さを感じられる。私のスイングと好みで比較するなら、『P790』のほうが振りやすく感じました…

「やさしい→シビア 入り口は違えど結果的に1Wと同じターゲット層」と西川

―どのような人向き?
「とってもやさしいアイアンではないため、ある程度パワーがあって、HSが速いゴルファー向きと言えます。入り口は異なりますが、出口は一緒で、ターゲット層はドライバーと同じ。シリーズ全般的に中上級者向けですが、『ステルス』『ステルス HD』『ステルス プラス』3機種どのドライバーを選んでも、『ステルス アイアン』を合わせて間違いないと思います」

1Wと同じオール4【総合評価4.0点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:28度(7I)
・シャフト: KBS MAX MT85 JP(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。