プロギア RS ドライバーを筒康博が試打「3機種ともスタンダード」
プロギア「RS ドライバー」の評価は!?
“ギリギリの飛び”でおなじみのプロギア「RS」シリーズから、最適(JUST)モデルを提唱する新シリーズ「RS JUST」が生まれた。理想の球筋に沿った最適な重心設計を配した3機種「RS ドライバー」「RS F ドライバー」「RS D ドライバー」は、バックスピン量の最適化により“驚初速”を演出するという。そんな自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「シンプルでクセのない“ニュートラル感”が向上!」
―率直な印象は?
「ボールの初速感がありつつ、前に押し出す感触も残り、打感はとてもいいフィーリングを得られます。“弾く”or“吸いつく”のどちらでもなく、シンプルにヘッド前側の剛性の高さを感じることができる。インパクトのエネルギーが後方に逃げず、前側の強さで強弾道を生み出せるドライバーという印象を受けました」
―飛びに特化している?
「うーん…。正直にいうと、最新モデルの飛距離性能は、どれも高い水準に達していて、初速が出ない、飛ばないドライバーは存在しないといえるほどです。では、現在のドライバー選びは、どこに焦点を当てるべきか。それは、自分の理想の弾道に近づけられるかどうかになってくると思います。新『RS』は3機種がラインアップされていますが、何十種類もあるプロトタイプの中から、選ばれたベスト3のような気がします。それぞれが『RS(スタンダード)』と呼べるほど、どれもクセのない印象を受けます」
―どれもクセがない…?
「ネーミングからイメージできる弾道(『D』がドロー、『RS(スタンダード)』がストレート、『F』がフェード)は、明確にすみ分ける要素になっていない気がします。その差は、クラウンの微小なボリュームの付け方と、わずかな内部重心の違いだけ。決まった弾道が手に入るというよりも、結果的に好みの弾道が打てるかどうかという判断になると思います。ネーミングのイメージで決めつけたり、先入観を持って打ち比べるのは、今作の『RS』には当てはまらないので注意が必要です」
―純正シャフトの影響は大きい?
「たしかに3機種の純正シャフトは、それぞれ個性が違うため、ヘッドよりシャフトの好みで、モデル選びが決まる可能性は高いです。同じ『ディアマナ』でも、Dの『SILVER』とスタンダードの『BLACK』で違いがあるので、理想としては、カチャカチャ機能で3ヘッド×3シャフトの組み合わせを試しながら、打ち比べられると良いかなと思います」
―前作「RS」と比べてどこが変わった?
「ゲンコツ型で厚みのあるヘッド形状、やや力強いイメージの強かったのが過去の『RS』。新『RS』は、それに加えて同社『egg』シリーズの寛容性や打ちやすさの要素が加わった印象です。改めて刷新されたNEW『RS』というイメージが強い。良くも悪くも精悍な見た目は継続しながらも、HSが速い人&ボールが吹け上がり気味の人以外も扱える、幅広い層をターゲットにした“ニュートラル感”が強まった印象です。同社ファンであれば、3機種とも好印象に映る形状と性能を感じます」
―どのような人向き?
「過去のイメージや、『D』『F』といった先入観を持たないゴルファー向き。『プロギアの新しいドライバーって、どうなんだろう?』と、フラットな気持ちで試打できる方に、向いている気がします。マイクラブと比較しながら、3機種のどれが一番理想の弾道に近づけられるか――。比較的にゴルフ歴が長い人よりも、短い人のほうが、クラブの持つ性能を素直に感じ取れる気がします」
前側の剛性の強さで打感5点満点【総合評価4.4点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:ディアマナ FOR プロギア “BLACK”(硬さS/M-43)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。