クラブ試打 三者三様

タイトリスト TSR4 ドライバーを西川みさとが試打「微小ながら球持ちUP」

2022/12/06 07:00

タイトリスト「TSR4 ドライバー」の評価は!?

タイトリストの新作「TSR」シリーズの中で、低スピン性能に特化した「TSR4 ドライバー」。同時発売の「TSR2 ドライバー」「TSR3 ドライバー」に比べ、明らかに飛距離に重点を置いているように見えるが、果たしてどういったヘッドスピード(以下HS)で、その飛距離性能を感じ取ることができるのか!? 前作「TSi4 ドライバー」と比べつつ、HSの異なる有識者3人が採点。まずは40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「シビアさは変わらないものの 打感にやわらかさが向上」

「TSR2」より上がり切らず「TSR3」よりつかまらなかった

―率直な印象は?
「見た目はスッキリ精悍(せいかん)な好みの小顔で、クラブの性能自体ももちろん申し分ないのですが、いかんせん私のHS(平均35~36m/s)ではボールが上がり切りません…。好印象ではあるのに、私には少しハード過ぎて、難しいというのが本音です」

キャッチコピーは『究極のロースピンドライバー』

―前作「TSi4」と比べると?
「『TSi4』と比較すると、少しだけ打感はやわらかくなっています。前作はフェースの弾き感が強く、インパクトの瞬間に気づけばボールが前に出て行ってしまうため、操作も工夫もさせてもらえない印象でした。『TSR4』はボールに食いつく感覚が少しだけ残り、インパクトの瞬間に微小ながら、ボールを押していけるフィーリングが味わえます」

左が「TSR4」右が「TSi4」。後方にソール前後にウエイト調整機能が追加

―ボールを押していける…?
「はい、打感が少しやわらかくなり、球持ちが良くなった気がします。ただ、それも前作と比べての評価なので、全体的にやさしく感じられるわけではなく、微小なイメージの変化といったところ。ツアープロが使用するタイトリストの中の、さらに上級者モデル『4』のイメージのまま、多少やさしくなったという表現で正しいかなと思います」

左が「TSR4」右が「TSi4」。ネック後方・ヒール側の違いに注目

―見た目はシャープなのに…?
「性能はやさしく感じられる半面、見た目はシャープに変化したので、そのギャップの変化の幅は大きいといえます。『TSi4』も小ぶりでスマートですが、さらにスッキリしたシルエット。フェース面の幅は変わらないまま、ヒール側が若干細くなり、全体的なシャープさを生むことで、操作性がさらに増したように見受けられます。『―2』『―3』も含め『TSR』シリーズ3機種とも、全体的にシャープで小顔に変わった印象です」

同シリーズのコンセプト“スピード”の原動力を生む空気の流れを考慮したシルエット

―性能面ではシリーズ3機種の差は感じた?
「私のHSでは正直、『―2』『―3』『―4』の違いを明確に感じ取るまでには至りませんでした。微小ながら、構えたときの見え方の差を感じる程度。どれを選ぶか迷ったときは、構えたときの顔立ちや、構えやすく感じられたモデルを選ぶべきかなとは思います」

「HSが適当ではないため 正当な評価ができなかったかも…」と西川

―どのような人向き?
「競技ゴルファー、またはドライバーを振り切れる人に限られるのかもしれません。HSの速さに自信がないと、扱うのはちょっと難しいかも…。あとはデザイン性が優れていて、キャディバッグに入れているだけで格好良く、所有感が満たされるので、純粋に同ブランドのファン向きでしょうか

点数的には白旗状態…【総合評価3.5点】

【飛距離】3.0
【打 感】3.5
【寛容性】3.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10度
・使用シャフト:ツアーAD IZ-6(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

タイトリスト
究極のロースピンドライバー
発売日:2022/09/30 参考価格: 88,000円