ミズノプロ 245 アイアンを西川みさとが試打「時代に合った“隠れ飛び系”」
同シリーズ1番人気の後継 HS30m/s台の女子プロ評価は！？
精悍なルックスと秀逸な打感で注目される「ミズノプロ」アイアン。今月発売された「241」「243」「245」の3機種の中で、前作では最も売り上げたという「5」シリーズから、同社鍛造アイアン史上最高反発を誇る「ミズノプロ 245 アイアン」をピックアップする。前作「ミズノプロ 225 アイアン」と比べながら有識者3人が採点。まずは、1WのHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「見た目に反した飛びを実感 前作よりやさしさを感じる変化も」
―率直な印象は？
「打っていて、飛んでいる実感がすごく湧くアイアンという印象です。一見、飛距離が見込めないシンプルなルックスをしているのに、インパクト時のボールの食いつき感から、強く高く飛んでいく出球の雰囲気まで、飛んでいる感覚が非常に残ります。見た目に反したやさしさが、しっかり弾道に表れている感じがしました」
―他社の中空アイアンと比べると？
「似たようなモデルとして、以前に高評価を付けたピン『i525 アイアン』、テーラーメイド『P790 アイアン』あたりが、類似モデルに挙げられそうです。厳密に言えば、若干『i525』よりは飛び、『P790』と同等といった感じ。現在“飛び系”というと、ロフト角が立っていてボールが高く上がるアイアンが値しますが、この3モデルは、ものすごくロフト角が立っているわけではなく、マッスルバックと同じ形状で、外観はとてもスマート。今の時代に合った、新しい形の“隠れ飛び系”と称して良いのではないでしょうか」
―“隠れた飛び系”は以前から高評価ですが？
「そうですね。好結果を見れば、おのずと評価は高くなります。特に私のような小ぶりで操作性のある見た目が好みでありながら、HSがいまいちで飛距離が伸びないゴルファーにとっては、最適と呼べるアイアン。私のHS（1Wの平均35～36m/s）で、楽に高く上がってくれる点は最大の魅力といっても良いでしょう。同じ『ミズノプロ』3機種の中でも、一番理想的な高さで飛ぶモデルという評価になりました」
―前作「225」と比べると？
「それほど違いは分からなかったのですが、ヘッドが若干小さくなった印象を受けます。トップブレードはちょっとだけ厚め、ソール幅はやや広めになり、全体的に丸みを帯びた形状に変化しています。よく見比べないと分からない程度に小さくなった半面、厚みや形状はミスヒットに強い印象が持てる雰囲気。正直そこまで大きな違いとは言えませんが、自然と難しい感覚を持たずに構えられる形状にシフトした印象を受けます」
―現在使っているアイアン（本間ゴルフ「TW747 P アイアン」）と比べると？
「形状や構造は違いますが、シュっとしたシルエットで、性能はやさしいという点は同じ系統に感じます。比べると、打感は『245』のほうがやわらかく、少し打音は抑えめな感じがしました。ただ、飛距離が落ちるわけではなく、高さも距離もしっかり出る。グリーンでしっかり止められるのであれば、キャリーでシンプルにピンが狙える分、実戦でもかなり期待できるモデルといえます」
―どのような人向き？
「『241』『243』は、私のHSでは少し厳しいと思ってしまいましたが、『245』は十分選択肢に入るように感じます。選ぶ基準はスコアや腕前より、HSの速さ。ゴルフを始めたばかりの初級者の方でも、HS40m/s以上であれば候補に挙げていいでしょう。ただ、小ぶりであることは間違いないので、一般的な女子アマチュアゴルファーがバッグに入れるにはハードルは高そう。そのような方には同社の『JPX』シリーズがお勧めで、見た目ももう少し大きく、やさしさにも打感にも妥協していない点は、好印象に映ると思います」
飛距離&打感が4.5 総合では「423」と同点【総合評価4.2点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角：30度（7I）
・使用シャフト：ダイナミックゴールド 95（硬さS200）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。