クラブ試打 三者三様

オノフ ドライバー KUROを西川みさとが試打「ヘッドにギューッと集中できる」

2023/11/07 20:00

さらに進化した調整テクノロジー1W HS40m/s未満の女子プロ評価は!?

“重力主義”をテーマにしたカウンターバランス設計が特徴の「オノフ ドライバー KURO」。前作2021年発売モデルに続き、最長飛距離を生むための重ヘッドを、ソール3カ所とグリップエンドに同じウエートを付け替えられる「クロスバランステクノロジー(XCBT)」で調整できる仕様となっている。そんな独自設定をパワーアップさせたモデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「顔も弾道も好み 課題はもうひと押し」

やや右方向にまとまり つかまりすぎるミスは全く見受けられなかった

―率直な印象は?
「もともとそれほど大きなサイズ感ではないうえに、クラウンの艶(つや)消しマット加工の印象が相まって、小ぶりでスッキリ見えて構えやすい。構えるとややフラットに見える形状は、(ドローが持ち球で引っかけのミスが怖い)私には好みの顔立ち。兄弟モデル『AKA』とは差別化を図り、ボールのつかまりを抑えて操作性を生かすコンセプトは、しっかり特徴を打ち出した設計に仕上がっていると思いました」

キャッチコピーは『重さを操り さらに遠くへ飛ばす“重力主義”』

―フラットに見える…?
「はい。他社のつかまりの良さを意識してアップライト気味に設定している国産ブランドと比べると、その差はかなり顕著に感じます。シルエットもシンプルで、ソールしてすぐにターゲットに向けやすく構えやすい点は、狙い通りの球筋をイメージしやすい。マット加工がどこまで影響しているかは明確には言い切れませんが、ギューッとヘッドだけに視点が行くような感覚で、非常に集中できます。ヘッド体積が小さいと思ったのですが、カタログでは460ccと記されていたのでビックリ。小ぶりで精悍な顔が好みのゴルファーには、最適なモデルといえるでしょう」

前作(2021年発売)と同じ落ち着きのあるマットな仕上げ

―打感の評価は?
「打感も少し硬めで、しっかりしたフィーリングが味わえる点が好きです。狙い通りの弾道が打ち出せ、理想的な球筋を生み出しやすい。ただ少し気になったのは、打っている自分の感触と飛距離の数字が伴っていないところ(総距離:平均209.6yd)。金属音に近いやや甲高い音が印象的で、弾きの強さを結構感じられ、私のHS(平均35.7m/s)ではボールをもうひと押しすることができなかった印象。もう少し飛ばせてもいいのかなと思えるほど、手ごたえが薄く感じました。硬めな打感は比較的に好きなのですが、ボールの食いつきを求めるゴルファーには、苦手に感じる人はいるかもしれません」

スピン量を安定させるレーザーミーリングを施したフェース面

―カウンターバランス設計の振り心地は?
「設計の影響からか、あまり手元の重さが気にならず、ソールウエート3カ所も入っていることが気にならないくらい自然な振り心地です。その分ヘッドを重く設定しているということですが、その重さが全然気にならないほど、全体のバランスがスッキリしています。逆に(今回の私のように)もうちょっとヘッドの効きがほしい、手ごたえがないと感じた場合は、グリップエンド側のウエートを軽くすればいいだけの話なので、購入後も微調整できる強みは大きなメリットだと思います」

別売りのウエートスクリューでは1~12gを用意。標準仕様は10g(2+3+5g)

―西川さんのHSではハードスペック?
「実はもともと『KURO』シリーズが好きで、『KURO』が出始めた頃のフェアウェイウッドを長い期間で使用していました。ただ、その当時もフェアウェイウッドだけで、ドライバーは使っていなかったことを考えると、私のHSでは飛距離は望めないのかもしれません。今作も打っていて曲がらないし、思った通りの弾道は出せるのですが、もうひと押しできていない部分につながっているのかも…。それをリシャフトかウエートで調整するか、対応は求められそうです。純粋にカスタムに時間を置くことを考えないのであれば、兄弟モデル『オノフ ドライバー AKA』のほうが、自分のHSには合っているかなと思います」

「いろいろウエートを入れ替えて楽しむことが基本となるコンセプトだと思う」と西川

―どのような人向き?
「ボールのつかまり具合と最低限の高さを出すためには、HS40m/s以上は求められるでしょう。別の選択肢として、寛容性を求めるならよりやさしい『AKA』シリーズになるとは思いますが、あとは形状や打感の好みもあるので、上記のHSがクリアしている人であれば、両モデルで好きなほうを選んで良いと思います。あとは、最適な弾道を求めてカスタムすることが好きな人。ソール3カ所&グリップエンドで入れ替えられる部位が多い分、ほぼ無限に近い組み合わせが試せます。時間をかけて微調整を行い、自分好みの一本に仕上げてみてはいかがでしょうか」

気になる飛距離は3.5△ それ以外は上々評価【総合評価4.1点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:CBT:624D(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

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発売日:2023/09/09 参考価格: 85,800円