ゼクシオ 13 ドライバーを筒康博が試打「打感は過去最高レベル」
“21世紀の王者”の13代目 ご意見番クラブフィッター評価は!?
“21世紀の王者”として2000年に誕生した「ゼクシオ」シリーズも今作で13代目。歴代人気作の特性を継承する「ゼクシオ 13 ドライバー」は、トウ、センター、ヒールの各ポジションにおいてボールに伝わるエネルギーを増大させる「BiFLEX FACE(バイフレックスフェース)」を採用し、ヘッド挙動を安定させる「ActivWing(アクティブウイング)」を進化させた。そんな新要素を加えた王道モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「13代目でこの変革とは フィーリングが格段に向上」
―率直な印象は?
「超ロングセールスの同シリーズなので、13代目にもなると正直どこを変えるの? と思っていたのですが、試打してみて、その打感と打音の変化に驚きました。中音でも高音でもない程よい中高音で、パシャッ、カキッといった硬い感触を連想させる嫌な音が完全に消えています。兄弟モデル『ゼクシオ エックス ドライバー』に近いアスリートな雰囲気を取り入れ、ボールの球持ちが長くなっています。打感でいえば、歴代モデルの中でも最高レベルといえるのではないでしょうか」
―打感が歴代最高レベル…?
「ツアーモデルではない単層のディスタンス系ボールでも、硬い打感にはならないほど、しっかりと球持ちを感じることができます。それでいてつかまりすぎることがなく、高弾道のストレートボールが出る。前作「12」と比べて、ドローバイアスはやや抑えながらも、球がつかまらないほど極端な変化ではない適度なつかまり具合。総重量281g(純正シャフトMP1300/硬さR)ですが、ちゃんとシャフトのしなりとヘッドの重さを感じられる設計で、すごく振り心地もいい。正直こんなに変わることができるのか… という衝撃を受けました」
―「アクティブウイング」の変化は?
「以前、興味本位でこの翼の凸部を軽量テープで隠し、振り心地や数値が変わるのかテストしたところ、HSが1m/s遅くなりました。本当に塞(ふさ)いだだけのシンプルな実験で、軌道のブレを抑制する効果までは解明できなかったのですが、HSの速さにひと役買っているように感じます。特にインパクト前後のスピードアップに貢献している気がするのです。だからこそ、同社も前作に引き続き採用したのではないでしょうか」
―振りやすさにも影響している?
「振りやすさに直接影響しているのは、シャフトも含めたクラブ全体のバランスの良さです。総重量が軽いクラブはどうしても手打ちになったり、テンポが速くなるデメリットを有していますが、ちゃんとヘッドの存在感を味わえる点が、同ブランドの優秀なところ。かといって、逆に重く感じてボールが上がらない、つかまらないことがなく、練習不足でもスタートホールで安心感を抱ける点が最大の強み。そこを継承しつつ、フィーリング面で少し若返りというか、アスリート感のスパイスが効いているところが絶妙だと感じます」
―気になるデメリットは?
「私くらいのHS(平均42m/s)でも打ち出し角とスピン量がしっかり得られる半面、元々スピン量が多く、弾道が高い方にとっては不向きという部分は否めません。スピン過多で悩んでいるゴルファーには、今作ではなく『ゼクシオ エックス』『スリクソン』シリーズを選ぶべき。チェックするポイントは、ボールの上がり方。もちろん上がらないと飛距離は伸びませんが、上がりすぎるともうひと伸びが得られません。逆にミート率が落ちてしまうこともあるため、試打で予想以上に弾道が高いと感じた人は、ロフト角10.5度だけではなく9.5度も視野に入れて検討するべきではないでしょうか」
―どのような人向き?
「私のように年齢の老いに抗(あらが)い、気持ちが若い40歳オーバーのゴルファー向き。クラブはやさしいモデルに替えて、プレーの質を高めたい人がメインターゲットになるかと思います。要するにそもそもの同シリーズのコンセプトが全くブレていないということ。同じ使い心地を味わえるシリーズとして、年齢が若い方は『エックス』を選択すればいい。また、同時発売されるレディスも、おそらくこれまで以上に女子ゴルファーに受け入れられる予感がします」
打感&寛容性で満点◎ 12代目評(4.2)から大幅アップ【総合評価4.5点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】5.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:ゼクシオ MP1300(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。