1W同様に曲がらないFW ご意見番クラブフィッターの評価は！？

パラダイム Ai スモーク MAX フェアウェイウッドをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】

25万人分のスイングデータを活用して生まれたAiスマートフェースを搭載するキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズ。ミスヒットに対する強さはドライバーのみならず、フェアウェイウッド（以下FW）も同様だという。そんな同社自慢の曲がらないFWを、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博がスタンダード「パラダイム Ai スモーク MAX FW」の試打評価を行った。

• HS40未満の女子プロ・西川みさとの場合
• 大谷翔平似レッスンコーチ・稲場智洋の場合

「フィードバックが明確！ 高評価を付けざるを得ない」

ミスヒットしているものの大きな曲がり幅は見受けられず

―率直な印象は？
「いやー、FWとして完璧なレベルかもしれません。前作『パラダイム FW』もすごく打ちやすかったし、好きな顔でしたが、さらにブラッシュアップされて改善された雰囲気。フェースに食いつく打感が秀逸で、フィーリングの良さが増した印象を受けます。結果的にボールはバラつきましたが、逆球は一切出ず、なぜそのバラつきが発生したかが打っていて実感できる。しかも想定したほど曲がっていない。もはや高評価を付けざるを得ないといったところでしょうか」

1W同様に新たなアルゴリズムによって設計開発

―Aiスマートフェースの効果？
「うーん…、AI効果と言っちゃうと忖度に聞こえるかもしれませんが、ミスヒット時でもボールの球持ちと初速感が、芯でとらえたときと変わらない。ミスヒットした際にフェース面での上下左右のズレが、ちゃんと打感として伝わってくる。ボールはある程度枠の中に収まりながら、次のショットの改善のためのフィードバックが明確。そこには高くも低くもない適度な打音がひと役買っていて、ミスショット時の気持ち悪さがない。感覚と結果と次のショットをどうすれば良いのかといった改善点も見え、全てが揃ったFWという感じがしました」

モデル別、番手別にAIが設計したフェースをぞれぞれに搭載

―他の兄弟モデルと比べると？
「『―MAX D』も少しだけドローバイアスを感じましたが、最初からフェースが左を向いていたり、つかまり具合が極端に強いといった嫌な感じが全くないです。『―MAX』よりちょっとだけボールが上げやすく、やさしく感じるモデル。5Wや7Wを『―MAX』、3Wのみ『―MAX D』といった具合に、シリーズ内でのコンビネーションで使いたくなりました。『―◆◆◆』は、対象ターゲットがたぶん私くらいのHS（1Wで平均41～42m/s）ではないため、思うような弾道は得られませんが、球質の強さは十分に感じることができます。普段からFWのスピン量が過多、もしくは打ち出し角が高すぎるといった方に、最適なモデルではないでしょうか」

キャロウェイらしい丸みのあるフォルムが特徴

―同時期発売のテーラーメイド「Qi10」シリーズと比べると？
「同社では、テーラーメイドのような新たな指針はうたわず、FWとして独自進化を遂げてきました。10年以上前に“ぶっ飛びFW”が流行した時代からキャロウェイ製を愛用しているゴルファーは多く、数代前のモデルを手放せない方を大勢見かけます。丸みを帯びた“キャロ顔”を踏襲しながら、可変スリーブ装着を採用してブラッシュアップを続けてきたキャロウェイ。一方のテーラーメイドは、今作『Qi10』で大きな方向転換＝高慣性モーメント化を、ドライバーだけでなくFWにも目指したことが実感できます」

ラムキン「ST +2 HYBRID CALIBRATE バックライン有り」

―ドライバーではグリップが気になっていましたが…？
「『パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー』のときに、バックラインの盛り上がりに違和感があると指摘しましたが、FWはそれほど気になりませんでした。FWは一度エースと決めると、少なくとも2～3年は使い続けるクラブなので、シャフトも含めて調整することを前提に選ぶと考えると、それほど純正のセッティングに拘（こだわ）らなくてもいい気がしたからです。まぁ、正直なところ、ドライバーで同じ形状のものを試打したので、慣れてきたというのが一番の理由ですが…(笑)。それよりもFWではヘッド性能の優秀さが勝ったということでしょうか」

「改めてコースボールでテストしたい」(筒)

―どのような人向き？
「この企画『クラブ試打 三者三様』をご覧の全ゴルファーに試していただきたいです。それほど騙されたと思って一度は試すべきモデルといえます。昨年の同社モデルでもう十分と思っていましたが、FWってまだまだ進化するんだと再認識させられました。曲がってしまうor飛ばないといった結果は、自己責任と思ってしまうほど進化しています。ここ最近、FWは同じモデルを使い続けているという人は、本当に買い替えるタイミングかもしれません」

一度は試してほしい！ 5点満点が3項目のハイスコア【総合評価4.8点】

【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：TENSEI 50 for Callaway（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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