ブリヂストン 241CB アイアンを井上真熙が試打「体にもやさしい分厚い当たり」
売り上げ好調!高精度軟鉄鍛造アイアン テックNo.1の飛ばし屋コーチの評価は!?
ブリヂストン 241CB アイアンを専門的にゴルフ知識を学んできた理論派コーチが試打したら…【井上真熙】
堀川未来夢、吉田優利、古江彩佳らがすぐにスイッチしたことで話題を集めているブリヂストン「241CB アイアン」シリーズ。極上の打感、顔、抜けの良さを追求した高精度の軟鉄鍛造アイアンとして、9月に発売したばかりだが、早くも売り上げは好調とのこと。そんなヒット作をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ゴルフ知識を多角的に学んできた理論派コーチ・井上真熙(いのうえ・まさき)が試打評価を行った。
「結構メリハリの効いた性能 例えるなら面積広めのトランポリン」
―率直な印象は?
「意外かもしれませんが、私の感覚では結構メリハリの効いたアイアンというイメージです。5段階採点でいうと、【寛容性】と【構えやすさ】で5点満点もあれば、【打感】と【操作性】では3.5点もあるといったデコボコな評価。プロも使用するツアー系アイアンという分野ですが、比較的に寛容性や飛距離性能に振り切った印象を受けます。ボールがつかまりやすく、操作性は逆に前作『221CB アイアン』より抑えめになっているのではないでしょうか」
―見た目の違いは?
「大きな違いはないですが、今作のほうが少しヘッドサイズが大きく見受けられます。そもそもの大きさは小ぶりだけれど、ディテールで大きく見える仕掛けが散りばめられている印象。若干、前作のほうがストレートネックに感じる分、今作はちょっとグースが入っていて、なんだかつかまりやすそうなイメージが湧きます。サイズ感もトップブレードの厚さも前作と変わっていないのですが、懐(ふところ:ネックからフェース面にかけてのつながり)が深くなっているため、より安心感を抱かせる演出が施されている気がしました」
―操作性は前作より抑えめに…?
「はい。今作のほうが操作性を抑えめにした分、当たりが厚くなり、ボールのつかまり具合が強まった印象です。ヘッドの厚みを感じられる半面、インパクトの瞬間は操作する意識を持たずにオートマチックに動いてくれる。無理に操作するパワーも不要なので、全く体に負担がかからない。18ホールを通して使用することを考えると、プラスに働くと感じる人は多いでしょう。ゴルフテックの生徒さんには、芯の広さをトランポリンに例えて説明することが多いのですが、今作は広いトランポリンを連想させます。トランポリンの面積が広いほど、芯を外しても跳ね返す力は弱まらず飛距離はダウンしない。また、衝撃を緩和できるのでダメージも少ない。総じてミスに強いといえる性能です」
―もう少し操作性はあったほうがいい?
「うーん、そうですね。面積が広い分フィードバックは鈍化するため、【打感】の評価は3.5(5点満点中)とさせていただきました。私はもう少し操作性を求めてしまう。ターゲットは現在使用中のアイアンではつかまりが悪いと感じている人向きになるでしょうか。または、先ほど打った弾道は芯をとらえていたのか、ミスヒットなのかをよりシビアに判断したい人。プロの中でもそこが賛否分かれるところかなと思いました」
―寛容性に振っているけれど“飛び系”ほどではない?
「つかまり感があるといっても、もちろん飛び系というほどではありません。ちょうどいいヘッドバランスであることは間違いなく、ドローの曲がり幅が大きくなったり、スピンが多すぎて吹けてしまうことはありません。飛びよりもつかまりの良さやスイートスポットの広さを重視しているだけ。出やすい球筋は、ストレートから若干ドロー寄り。高さは高弾道というより、やや中弾道で距離感を出しやすいアイアンに仕上がっています」
―どのような人向き?
「スコアでいうと90台、アイアンで飛距離は飛ばしすぎたくないけれど、ちょっとつかまえていきたい中級者向き。ドライバーのHSでいえば43m/sくらいが適正かなと思います。45m/s以上だと低スピンすぎて、弾道の高さが思ったより出ない結果になり得る。逆に40m/s前後の人には、もう少し寛容性の高いモデル、トランポリンのエリアがより広い兄弟モデル『242CB+ アイアン』をお勧めします」
ちょっと意外!? デコボコ五角形な採点【総合評価4.3点】
【飛距離】4.5
【打 感】3.5
【寛容性】5.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:31度(7I)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー105(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
井上真熙(いのうえ・まさき) プロフィール
1998年生まれ、茨城県出身。ゴルフコーチを行っていた叔父の誘いで10歳からクラブを握る。高校ではゴルフ部に入り、ゴルフの楽しさを伝える仕事に就きたいと考えるように。卒業後、東京ゴルフ専門学校に入学してルール論、ゴルフ歴史学、心理学、用具論、用具メンテンナンス、トレーニング論、スイング論を学ぶ。PGAティーチングプロ資格取得済み。現在は「ゴルフテック by GDO」六本木店にて勤務。
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