筒康博「地クラブ的な存在感」

―率直な印象は？
「一番特徴的に感じられたのは、打感のやわらかさです。インパクトでフェースにボールが食いつく感覚、自分でコントロールしている感じが伝わる感触。分厚いインパクトをしている感じがしっかり伝わるので、その点で【打感】の評価を満点の5.0にしました」

―そんなに打感が良い？
「はい。好みに分かれると思いますが、他モデルと比べて飛びぬけてやわらかい打感です。ドライバーは弾く系のほうが好きと言う人は多いと思いますが、食いつき系が好きな人には『モデル-S』はハマると思います」

―実際打ってみた印象は？
「そうですね。ちょっと僕にはロフト角が足りなかった点（※ここでいうロフト角はリアルロフトのこと）と、シャフトの動きが大きすぎた点で、見た目が難しそうなイメージの割にボールがつかまりすぎてしまいました。あと、ボールが上がりにくかった…（汗）」

どちらも引っかけ気味だが、「モデル-E」より曲がり幅は抑えめ

―今回は言いわけが多め？
「うっ…まー、言いわけがましくて、ゴメンなさい。シャフトを変えればまた印象は大きく変わると思います。ミズノプロはカスタム専用モデルなので、やはりクラブ一式の完成度というよりは、ヘッド単体で評価するべきかなと思います。そういう点で考えるとカスタムシャフトを選んだほうが、ヘッドの良さを引き出せるのかなと思いました」

―ヘッドの良さを引き出せる？
「はい。ヘッド性能自体は申し分ないので、この打感のやわらかさを生かすには、ユーザーそれぞれがマッチしたシャフトを選ぶべきかなと思います。その点でいうと大手メーカーのドライバーなのに、地クラブメーカー的な存在感があるヘッドかなと。好き嫌いが分かれると思いますが、エッジが効いて面白いクラブだと思いました」

―どのような人向き？
「いまどきの大型ヘッド、重心距離が長く、重心深度が深いと高慣性モーメントで、逆に自分のフェースターンのタイミングがつかめなかった人には最適なモデルだと思います、ドライバーが苦手で、3番ウッドで打つとなぜか真っすぐ飛ぶ人、フェースの開閉を大きくしてインパクトをしたい人、スピン量が多すぎる人におすすめしたいモデルです」

※使用スペック／ロフト角:10.5度、ツアーAD GM-1 D（約55g・硬さS）

■ 筒康博（47）

変幻自在に球を操るクラブフィッター。クラブフィッティング＆レッスンスタジオ「PCM Labo」総合コーチ。プロアマ問わず7万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持つ。身長168cm。

• 1WのHS30台・西川みさとの場合
• 1WのHS50台・万振りマンの場合