OT ironを筒康博が試打「絶対ラフに強い」
三菱ケミカル「OT iron」の評価は!?
6年ぶりにリニューアルした三菱ケミカルのアイアン専用カーボンシャフト「OT iron」。今作から番手別設計を導入し、すべてのクラブで同じシャフト重量を実現した。ロングアイアンからウェッジまで、重量フローを最適化させた注目モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博の評価は?
「ねじれがなくボールを押し出せる」
―率直な印象は?
「初代『OT iron(2015年)』は同じ設計のシャフトを、番手ごとに長さを変えただけのモデルでしたが、今回の二代目は番手別に設計されていて、よりヘッドにマッチした特性に仕上がっています。インパクトゾーンで先端のねじれが全くなく、ボールを押し出せる感覚が伝わります」
―ボールを押し出せる感覚…?
「はい。どんなにミスヒットしても、サイドスピン量が抑えられ、結果的にボールはロフト角通りに飛んでくれます。特にラフでは、芝の抵抗でボールを思い通りにヒットできないことが多いので、今回は人工芝での試打でしたが、絶対にラフに強いシャフトと言えそうです。一度使ってハマった人は、たぶんずっと使い続けるモデルだと思います」
―なぜそれほどラフに強い?
「『OT iron』は、一般的なシートを巻く製法ではなく、全長にわたって編み込んで作ってあることで、振動を均一に感じる特徴をもっています。ミスヒットした衝撃も、剛性の弱いところだけに来るというよりも、シャフト全体で受け止めてくれる感じ。タフなライで使うショートアイアン、特にウェッジのほうが効果を発揮できるシャフトのような気がします」
―スチールとの違いは?
「スチールの一番の特長は、肉薄ながら先端のトルクが少ないという部分です。そんなスチールの要素を含んでいる『OT iron』は、カーボンシャフトの中でもしっかりボールを潰している打感が残る。また、巻く製法のカーボンシャフトはシートが重なる部分に段差が生じ、しなる動きに対して角(かど)がある分、しなやかさが削がれてしまう部分が生じます。『OT iron』は滑らかで、スムーズなしなり戻りをスイング中に感じとることができました」
―藤倉コンポジット『MCI』との違いは?
「アイアンのカーボンシャフトとして、国内メーカーの代表的モデルの対抗馬は確かに『MCI』になるでしょう。私が思う一番の違いは、使用素材の違いによるフィーリング。『MCI』はカーボンらしさの中にスチールに近い金属コンポジットを使っていて、安定感と再現性が高い。三菱ケミカルは、それをカーボンのみで行うことで、全く金属感がないのが特徴です。スチールの粘りの要素がありつつ、カーボンの振動吸収性もある。両方のメリットを感じることができるのが、この『OT iron』です」
―どのような人向き?
「いま使っているアイアンのスチールシャフトに少し不満があったり、球筋がバラついて悩んでいる人向き。現在使用しているものと、同じ重量帯のものを挿してみてもいいと思います。以前は、同じ重量帯だとカーボンのほうが軽く感じるという意見も多かったですが、『OT iron』に関しては全くそのような感覚はないので、数字をそのまま移行しても問題ないでしょう」
寛容性とデザインでダブル満点【総合評価4.5点】
【走り感】4.0
【粘り感】4.0
【寛容性】5.0
【操作性】4.5
【デザイン】5.0
・モデル:OT iron 75、85、OT TOUR iron 110(すべて硬さS)
・ヘッド:ミズノ MP-55 アイアン(ロフト角32度/7I)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。
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