ステルス アイアンを筒康博が試打「OSを含んだ性能」
テーラーメイド「ステルス アイアン」の評価は!?
ステルス アイアンをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
1月の発表以来、注目を集め続けているテーラーメイド「ステルス」シリーズ。ギアファンの話題を独占しつつあるドライバーとともに、気になるのは同時発売の「ステルス アイアン」だ。ウッド同様に、革新的な性能が盛り込まれているのか!? そんな期待が高まる同社の自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は?
「テーラーがいま考える“やさしいアイアン”」
―率直な印象は?
「サイズがやや大きいことを除けば、満足のいくアイアンといえます。構えてクラブを見る限り、真っすぐ飛ぶイメージしか湧かないですし、実際に打ってもとにかく高く上がり、ロフト角がややストロング設定(7Iで28度)の分だけ前に飛ぶ。良い意味でも悪い意味でも、直進性が高く、寛容性の高いモデルです」
―サイズが大きいのは気になる?
「ヘッドサイズは大きめなので、シャフトが短く感じることで、ミート率は高まると思います。また、ロフト角が極端に立っているように見えず、典型的な飛び系アイアンとは少し違った面持ち。同社が提案するオーバーサイズ(OS)の利点を詰め込んだ形状といえます。前作『SIM2』シリーズでは、『SIM2 MAX アイアン』『SIM2 MAX OS アイアン』と2機種構成でしたが、『ステルス』は(現時点で)『ステルス アイアン』一択という構成もうなずけます」
―スタンダードとOSの融合的なモデル?
「そうですね。オフセットは最適な分だけ設けつつ、サイズを大きくした形状。寛容性と直進性にこだわって作ったモデルということで、同社がいま考える“やさしいアイアン”の集約された形といえるのではないでしょうか。すでにツアーモデルの『P700』シリーズが人気なので、そことのバランスも加味しながら、『ステルス』シリーズで2つも3つも機種はいらなかったということだと思います」
―打感の印象は?
「決してカチンカチン硬いわけではなく、『P790 アイアン』のような、中空構造の厚みのあるフィーリングを得られます。インパクトの瞬間に、反発を感じながらもボールを押していける奥行きを感じます。決して単一素材の感触ではなく、衝撃を吸収しつつ硬い素材をやわらかく感じさせてくれる。硬さと高い音を出さずに、ボール初速のスピード感のみが残る『P790』的な印象を受けます」
―シャフトの感想は?
「PGAツアーで多く使用されている『KBS』の中でも、ややアベレージゴルファー向けの『KBS MAX』シリーズの同社専用モデルですね。軽く感じられるけれど、全体的にしなりながら、シッカリ感もある面白いシャフトです。ヘッドとの相性とバランスがすごく良かったです。ただ私の場合は、軽量すぎると(硬さSで約109g)トウダウンのタイミングがズレてしまい、ミート率が落ちてしまうため、正直もう少し重さのあるモデルを選びたいと思いました」
―どのような人向き?
「いろいろなケースに合わせてショットを打ち分けるタイプではなく、単品ユーティリティがアイアンセットになったようなモデルだと思いました。腕前にかかわらず、どんな人でも打てるアイアン。とにかくやさしさを求めているゴルファーに、候補のひとつとして入れてもらいたいです」
寛容性5◎操作性3△の性格ハッキリ型【総合評価4.1点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】3.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:28度(7I)
・シャフト: KBS MAX MT85 JP(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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