PLD ミルド パターを筒康博が試打「性能云々は不要」
ピン「PLD ミルド パター」の評価は!?
ピン PLD ミルド パターをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
Putting Lab Design=「PLD ミルド パター」は、米国のピンゴルフ社にあるパター専門研究開発室の名から取った、トッププロのこだわりを反映したモデル。トニー・フィナウ、ビクトル・ホブランらが使用して、発売当初から結果を残し、今夏からは渋野日向子が「PLD ミルド DS 72 パター」に替えたことで、さらに注目度が増した。そんな同社が誇る完全削り出しパターを、有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「ロジックでは語れない五感に訴えかける魅力」
―率直な印象は?
「トッププロの声を反映した4モデルということで、試打前から(評価に対する)ハードルを上げて臨んだのですが、そんな邪念もなんのその。改めて、プロが好むパターはこういうものと納得させられる、性能とデザインを持ち合わせていました」
―具体的にはどういう点が?
「性能面は、インパクトに対してのフィードバックが非常に速い点。打感の反応がとにかく素直でスピーディです。ミスヒットはミスヒットと確実に認識でき、その感覚がいつどこででも感じ取ることができる安心感があります。デザイン面では、長年培った同社の技術を凝縮したと思える構えやすさ。特に『アンサー』『アンサー 2』は、ミリ単位の設計が施されており、他メーカー製の似た形状のものとは違った、元祖ならではデザイン性を感じます」
―「PLD」の一番の魅力は?
「実は性能面もデザイン面も、どこかが云々ではなく、五感に訴えかけるところが最大の魅力。重量感もシルエットも使い心地も、全てがロジックでは語れない魅力が備わっています。タイトリスト『スコッティキャメロン』、オデッセイ『トゥーロン』と同じく、性能云々の説明が不要。口では説明できない、打った人にしか伝わらない魅力を感じるブランドのひとつです」
―削り出し『VAULT(ヴォルト)』シリーズの後継?
「いいえ、『VAULT』とは比べないほうがよいでしょう。製法に関して似ている部分はあるかもしれませんが、『PLD』は、いろいろなタイプから選別され、中身をギュッと凝縮してある分、五感に訴えかける方向に集約している気がします。プロがこれを使っているなら、それはカップに入るよと思わせる、過去には類のない軸となるブランドという印象を受けます」
―寛容性の評価3.5点(5点満点中)は低め?
「方向性か距離感か、どこか一部に期待を持たせるパターではなく、フィーリングで恩恵を与えるモデルであるため、寛容性はプレーヤー自身が担えばいいだけ。逆に寛容性があってはならないパターといえます。3.5点は決して低いわけではなく、他の3項目を5点満点に押し上げるための必要事項であり、私なりの高評価として採点しました」
―どのような人向き?
「ゴルフを真剣に上達したいゴルファー向き。一度はこういうタイプをエースパターとして使わない限り、うまくなるものもうまくはならない。上級者が通るひとつの通過点というか、技術を磨くための登竜門的なパターです。同社は、アマチュアに対しても、パターフィッティングを推奨しているので、自分に合ったモデルを探るきっかけとしても、おすすめできるブランドです」
特徴を生かして高得点【総合評価4.6点】
【転がり】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】3.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】4.5
・全機種 /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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