ゼクシオ 13 アイアンを筒康博が試打「パー3で頑張らなくていいアイアン」
王道を継承する13代目アイアン ご意見番クラブフィッター評価は!?
ゼクシオ 13 アイアンをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
今月9日に発売された13代目「ゼクシオ」シリーズ。ドライバー同様に芯で打つ快感を全てのゴルファーに提供するべく開発された「ゼクシオ 13 アイアン」は、チタンフェースの4ピース複合構造による徹底した低重心設計で、高初速エリアを拡大したという。そんな王道を継承する13代目モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「ポケットを閉じて“大型中空”に やさしさ満載の安心感」
―率直な印象は?
「バックフェースのキャビティ部ポケットが、バッヂで塞(ふさ)がれた構造は、歴代モデルで初めての試みです。この変更がどのように影響しているかは断言できませんが、間違いなく打感は大きく変わりました。ドライバーと同じく、弾きの強い前作『12』と比べ、ボールに吸いつく感じが強まった印象。軟鉄鍛造レベルとまでは言わないまでも、球持ちが長くなり、今までの歴代モデルの中で一番好きなフィーリングが味わえます」
―吸いつく感じが強まった…?
「はい。前作まではポケットアイアンの特徴である弾き感が強い半面、やや打音が甲高く、硬さがイメージされやすかった。良くも悪くも手にくる振動が大きい印象でした。今作はポケットに蓋(ふた)を付けて中空キャビティ構造となり、そこがすごくフィーリングの良さに寄与している。ドライバーの打感も同様でしたが、硬い弾き感から中音でやわらかな打感に変わり、初代から13代まで正統進化を続けてきた中でかなりのビッグチェンジといえるのではないでしょうか」
―見た目も大きく変わった?
「いいえ、見た目はあえて大きくは変わっていません。最近では、各社アイアンのトレンドが、コンパクトなシャープ形状(中に複合素材を埋めて飛びを確保した)モデルが多いなかで、逆に何も変わっていない。大きさと安心感を求めるゴルファーが依然として多いことを証明しているのではないかと思うほど、歴代モデルを継承しています。ただ、何も変えていないわけではなく、前作と比べてグースの付き方を抑え、オフセットはそれほど邪魔に見えない微小なチェンジは施されています」
―長い番手だけ単品買いはアリ?
「同シリーズは確立したブランドで、フルセットで販売するケースが多く、購入者もあえて単品で選ぶプレーヤーが少なかったので、そういう形式ではあまり見受けられませんでした。ただ、改めて性能を考えれば、同社の『スリクソン』アイアンを使用している人が、ロングアイアンだけ寛容性の高い『ゼクシオ』を入れても、何ら問題はありません。ウッド型UTだと方向性に不安を感じる人などが、アイアン型UTの代わりに、5番(ロフト22度)、6番(25度)のみを購入することは、大いにアリでしょう。タイトリスト『T100』『T150』を使用するプロや上級者が、『T200 アイアン』を併用する発想と同じでいいと思います」
―純正カーボンとスチールシャフトでの選び方は?
「今作に切り替える前の現使用シャフトで、選び方は明確に分かれる気がします。純正カーボン(ゼクシオ MP1300)が、硬さ(フレックス)Sで50gとかなり軽量のため、現在同シリーズをカーボンで使用している人以外にとっては軽すぎるように感じるからです。『ゼクシオ』以外のモデルからシフトしてきた人の多くは、純正スチール(NSプロ GH850 DST)のほうがスムーズに移行できるのではないでしょうか。私も現在100g以上のスチールを使用していますが、今作のカーボンはさすがに軽すぎました。スチールは全く違和感なく、使いやすかったです」
―どのような人向き?
「プロが勧めるアイアンの特徴として、複雑なライからでも様々な球筋が打てる操作性や抜けの良さを挙げることは多いですが、決してアベレージゴルファーも同じとは限りません。常にターゲットに対して、同じようにフェースを向けやすいことや、ミスが起こりにくい安心感を第一に求める人が大半だと思います。そのようなゴルファーが、パー3で番手通りの距離が簡単に出てくれたり、無理に頑張らなくても池やバンカー、谷を楽に越えてくれる性能を有しているほうが、スコアは確実にまとまります。そこを長い期間フォローしてきたブランドこそ『ゼクシオ』であり、ダントツの安心感は唯一無二といえるのではないでしょうか」
1Wに続き打感は満点◎ 操作性は3.5△【総合評価4.2点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:ゼクシオ MP1300、NSプロ GH850 DST(どちらも硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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