ドラコン公式球 HS40m/s対象ボール採用のフシギを調査
日本プロドラコン協会(JPDA)は6月、主催競技の使用ボールを統一する「公式球」の導入を発表した。採用されたのは、住友ゴム工業(ダンロップ)が7月に発売した飛距離特化型の『スリクソン X2 ボール』。それ以前はR&A(全英ゴルフ協会)が認定する「公認球」から、選手が各自で選べるルールになっていた。
JPDAの松谷伸次会長によれば、競技としての公平性を保つために「公式球」導入の検討を進めてきた協会は今年、大手ゴルフメーカーのボール12種類によるヒューマンテスト(男女のドラコンプロ12人、アマチュア5人)を実施した。その結果、飛ばしに関する主要データで最適値を記録したのが『X2ボール』だったという。協会によると、他社ボールと比べた平均値で、ボール初速=プラス約3.5%、バックスピン量=マイナス約10%、トータル飛距離=プラス約9%という数字を示し、今回の採用に至った。誰からも認められる条件(ルール内)で、1ydでも遠くに飛ばした実績を記録として一つずつ残していくことが、ドラコンのプロの価値を築いていくことになるので重要な決断だ。
“ドライバーの飛び”に特化した性能
しかし、そもそも『X2ボール』はドラコン選手に向けて設計されたわけではない。開発を担当した住友ゴム工業の田窪敏之氏によると、想定のターゲット層は飛距離アップを求めるヘッドスピード(以下HS)40m/s前後のゴルファー。対して、テストを行ったドラコン男子プロの平均HSは約58m/sだった。さらに、初めて『X2ボール』が公式球として扱われた6月のエキシビション競技では、出場ドラコンプロ39人中31人が自己ベストを更新して話題となった。
なぜ、最適とされるHSをはるかに超えたドラコン選手に適応したのか? その理由は、強みをピンポイントに絞った『X2ボール』の“尖った性能”にあるかもしれない。
3年前に発売した前作『Xボール』は、アプローチのスピン性能や打感よりも、ドライバーの飛距離性能を優先するディスタンス系ボールとして誕生した。『X2ボール』は2代目としてそのコンセプトを継承。対して他の同社主要ボールを見ると、『Z-STAR』シリーズは飛距離性能とスピン量の両立、『ゼクシオ』シリーズは飛距離性能とソフトな打感がウリ。『X』シリーズはドライバーの飛びに特化したモデルとして独自のポジションを築いており、ドラコン競技にマッチする要素は多いと言える。
「X2ボール」構造と開発者の見解
今回の『X2ボール』には、飛距離と直進性の向上、さらに前作の課題だった硬い打感の解消に向けて改良が加えられたという。田窪氏が「打感をソフトにするとボール速度が落ちてしまうため、コアに高反発助剤と呼ばれる添加剤を投入しました。これにより、前作より打感が軟らかくても、ボール速度を同等以上に保つことができます」と説明するコアは、前作の2層構造から添加剤の効果をより引き出せる単層構造へ。さらに、ミッド層の硬度を上げることで最適なスピン量に抑え、弾道の上がり過ぎを防ぐためにディンプルを前作から4%深くする表面設計が施された。
以上のボール特性を踏まえた上で、田窪氏にとってドラコン選手への適正は想定の範囲内だったと言う。「(HS60m/s前後を)マシンテストで確認したことはありませんでしたが、構造面において、スイング速度が上がるほどボール速度の向上へプラスに働きます。スピン量は若干のミスマッチがあるかもしれませんが、スイング速度が上がるほど減る方向にありました」と分析した。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
- 中上級 応用ドロー フェード 距離感 マネジメント スピンコントロール
- ボディケアスキンケア ストレッチ 花粉症 筋トレ アレルギー
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