topics

最適なショートウッドはどれ? 7W人気モデルを徹底比較

2021/07/13 12:30

注目6モデルをトラックマンでデータ分析

FW部門でアクセス数&売り上げ好調な人気モデルをずらり

ロフト角21~24度のフェアウェイウッド(以下FW)、ユーティリティ、飛び系アイアンにおいて、それぞれ特性別スイングタイプ別による選び方について解説してきた本企画。今回はFWの注目モデル6機種(すべて7W)の性能を比較しながら、石井良介プロが最適なショートウッド選びを指南する。

目次

  • 選び方) 高さとつかまりで選べば失敗しない
  • 1) 弾き感強め「SIM2 MAX」
  • 2) FWもミスに強い「G425 MAX」
  • 3) 上げやすさNo.1「RMX」
  • 4) 石井プロ絶賛「エピック SPEED」
  • 5) 意外と万能型「スリクソン ZX」
  • 6) 全体のバランスが秀逸「TSi2」
  • まとめ) 高さの目安は40yd 球筋はドローorストレート

選び方) 高さとつかまりで選べば失敗しない

トラックマンによる試打データをもとに、6モデルの弾道の高さ(縦軸)とつかまりやすさ(横軸)を分布図で示してみました。

ショートウッドではフェード系モデルはなし

高さは最高到達点40ydを目安にしており、超えていたら高さが出ないことに悩むタイプ向き。超えていなければ打球の吹け上がりに悩むパワーヒッターにおすすめです。40ydを超えていたのはテーラーメイド「SIM2 MAX」、ピン「G425 MAX」、ヤマハ「RMX」の3モデル。キャロウェイ「エピック SPEED」、ダンロップ「スリクソン ZX」、タイトリスト「TSi2」は30yd後半に抑えられていました。

また、7W程度のロフト角になると、どれもかなりつかまりの良い構造になっているので、分布図ではつかまりやすいドロー系と適度につかまるストレート系で分類しました。ドロー系は3モデル。「SIM2 MAX」は微ドローで、ストレートに飛んでわずかに左に落ちていく球筋。「G425 MAX」は典型的なハイドロータイプで、スライスに悩んでいる人におすすめ。「スリクソン ZX」は、試打前はつかまりを抑えたモデルと予想していたのですが、実際に打つとやさしく楽にドローが打てました。

一方、直進性が高いストレート系も3モデルに分かれました。「RMX」は打ち出し角が高く、いわゆる“棒球”と呼ばれる高い強弾道のストレート系ボールで飛ぶ印象です。「エピック SPEED」と「TSi2」は小顔で、ドローヒッターが打っても引っかけにくい構造となっています。

1) 弾き感強め「SIM2 MAX」

ライ角:58度、ヘッド体積:160cc、シャフト:41.75インチ(TENSEI BLUE)

テーラーメイド「SIM2 MAX FW」(7W・ロフト角21度)
ヘッドスピード 43.1m/s
ボール初速 63.5m/s
打ち出し角 15.5度
高さ(最高到達点) 42yd
スピン角 -2.2度
バックスピン 4762rpm
総飛距離 224.2yd

打感がすごく爽快で、弾き感があります。ボール初速はトップクラス。打ち出し角は標準の高さですが、スピンが入るので途中からグングン上がって、最高到達点が高くなりました。ビッグキャリーを稼ぐのに最適なモデルです。

2) FWもミスに強い「G425 MAX」

ライ角:58.5度、ヘッド体積:152cc、シャフト:42インチ(ALTA J CB SLATE)

ピン「G425 MAX FW」(7W・ロフト角20.5度)
ヘッドスピード 43.3m/s
ボール初速 64.4m/s
打ち出し角 16.3度
高さ(最高到達点) 43.1yd
スピン角 -6.4度
バックスピン 4626rpm
総飛距離 227.9yd

前作(G410 MAX FW)に比べてスピン量が減り、弾道が強くなった印象を受けます。ピン特有のやさしさは、ドライバーのみならずFWでも健在。高弾道のドローが打ちやすいモデルで、振り遅れやスライスのミスに強いと言えます。

3) 上げやすさNo.1「RMX」

ライ角:57度、ヘッド体積:132cc、シャフト:42インチ(TMX-420F)

ヤマハ「RMX FW」(7W・ロフト角20度)
ヘッドスピード 43.4m/s
ボール初速 63.5m/s
打ち出し角 17.2度
高さ(最高到達点) 44.4yd
スピン角 -0.7度
バックスピン 4071rpm
総飛距離 232.2yd

高弾道タイプ3モデルの中でも、最高到達点が最も高かった「RMX」。スピンで上がるタイプというより、打ち出し自体が高いので、ヘッドスピードが遅い人でもボールを上げやすいと思います。ソールの抜けが良いので、ダフリにくさも感じられます。

4) 石井プロ絶賛「エピック SPEED」

ライ角:57度、ヘッド体積:144cc、シャフト:42インチ(ディアマナ50)

キャロウェイ「エピック SPEED FW」(7W・ロフト角21度)
ヘッドスピード 42.3m/s
ボール初速 62.6m/s
打ち出し角 14.4度
高さ(最高到達点) 38.6yd
スピン角 -0.8度
バックスピン 5022rpm
総飛距離 219.2yd

個人的には今年のFWでナンバーワンの完成度だと思います。シャープな形状で日本人好みの顔なので、構えやすさの点でもおすすめ。飛距離性能だけでなく操作性も高いので、自在に球筋を調整できるのが魅力です。

5) 意外と万能型「スリクソン ZX」

ライ角:58.5度、ヘッド体積:126cc、シャフト:42インチ(ディアマナZX60)

ダンロップ「スリクソン ZX FW」(7W・ロフト角21度)
ヘッドスピード 42.7m/s
ボール初速 64.8m/s
打ち出し角 14.7度
高さ(最高到達点) 38.3yd
スピン角 -6.3度
バックスピン 4492rpm
総飛距離 233yd

見た目以上に深重心の構造になっているので、どんなタイプのゴルファーでも、つかまりの良さを実感できます。球筋の傾向としては、風の影響を受けにくい、低くて強いライナー系のドローボールが打ちやすいと思います。

6) 全体のバランスが秀逸「TSi2」

ライ角:58度、ヘッド体積:非表示、シャフト:41.5インチ(TSP110 50)

タイトリスト「TSi2 フェアウェイメタル」(ロフト角21度)
ヘッドスピード 42.5m/s
ボール初速 63.9m/s
打ち出し角 14.0度
高さ(最高到達点) 39.2yd
スピン角 0.2度
バックスピン 4810rpm
総飛距離 226.1yd

飛距離、打感、顔の三拍子がそろっていて、クラブ全体のバランスが秀逸です。ボールを弾くのではなく、フェースに食いついて飛ばすモデルなので、打感にこだわる玄人ゴルファー好み。叩いても引っかけにくい、パワーヒッター向きFWです。

まとめ) 高さの目安は40yd 球筋はドローorストレート

※「スピン角」とはスピン軸の傾きのこと。-なほど左に傾いている=つかまりやすい

・選ぶポイントは「高さ」と「つかまり」。
・「高さ」は最高到達点40ydを目安にする。
・「つかまり」はドローかストレートに分類する。

取材協力/ハンズゴルフクラブ

■ 石井良介(いしい・りょうすけ) プロフィール

1981年生まれ、神奈川県出身。PGAティーチングプロの資格を持ち、トラックマンを使った最新理論やデータに基づくレッスンが好評。YouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」も大人気。

FWかUTか飛び系か それが問題だ! 記事一覧

テーラーメイド
「Vスチールソール」を進化させ、さらなる低重心に
発売日:2021/02/19 参考価格: 44,000円
ヤマハ
やさしさと飛距離アップで攻められる
発売日:2019/09/06 参考価格: 36,720円
キャロウェイ
「2本の柱」の進化が生んだ、石川遼+13.2ヤードの飛び
発売日:2021/02/19 参考価格: 36,960円
ダンロップ
革新的テクノロジーで飛距離性能と精度を さらに高めた
発売日:2020/10/17 参考価格: 44,000円
タイトリスト
ストレートに狙って、飛ばす
発売日:2020/11/13