最適なショートウッドはどれ? 7W人気モデルを徹底比較
注目6モデルをトラックマンでデータ分析
ロフト角21~24度のフェアウェイウッド(以下FW)、ユーティリティ、飛び系アイアンにおいて、それぞれ特性別・スイングタイプ別による選び方について解説してきた本企画。今回はFWの注目モデル6機種(すべて7W)の性能を比較しながら、石井良介プロが最適なショートウッド選びを指南する。
目次
- 選び方) 高さとつかまりで選べば失敗しない
- 1) 弾き感強め「SIM2 MAX」
- 2) FWもミスに強い「G425 MAX」
- 3) 上げやすさNo.1「RMX」
- 4) 石井プロ絶賛「エピック SPEED」
- 5) 意外と万能型「スリクソン ZX」
- 6) 全体のバランスが秀逸「TSi2」
- まとめ) 高さの目安は40yd 球筋はドローorストレート
選び方) 高さとつかまりで選べば失敗しない
トラックマンによる試打データをもとに、6モデルの弾道の高さ(縦軸)とつかまりやすさ(横軸)を分布図で示してみました。
高さは最高到達点40ydを目安にしており、超えていたら高さが出ないことに悩むタイプ向き。超えていなければ打球の吹け上がりに悩むパワーヒッターにおすすめです。40ydを超えていたのはテーラーメイド「SIM2 MAX」、ピン「G425 MAX」、ヤマハ「RMX」の3モデル。キャロウェイ「エピック SPEED」、ダンロップ「スリクソン ZX」、タイトリスト「TSi2」は30yd後半に抑えられていました。
また、7W程度のロフト角になると、どれもかなりつかまりの良い構造になっているので、分布図ではつかまりやすいドロー系と適度につかまるストレート系で分類しました。ドロー系は3モデル。「SIM2 MAX」は微ドローで、ストレートに飛んでわずかに左に落ちていく球筋。「G425 MAX」は典型的なハイドロータイプで、スライスに悩んでいる人におすすめ。「スリクソン ZX」は、試打前はつかまりを抑えたモデルと予想していたのですが、実際に打つとやさしく楽にドローが打てました。
一方、直進性が高いストレート系も3モデルに分かれました。「RMX」は打ち出し角が高く、いわゆる“棒球”と呼ばれる高い強弾道のストレート系ボールで飛ぶ印象です。「エピック SPEED」と「TSi2」は小顔で、ドローヒッターが打っても引っかけにくい構造となっています。
1) 弾き感強め「SIM2 MAX」
テーラーメイド「SIM2 MAX FW」(7W・ロフト角21度)
ヘッドスピード 43.1m/s
ボール初速 63.5m/s
打ち出し角 15.5度
高さ(最高到達点) 42yd
スピン角 -2.2度
バックスピン 4762rpm
総飛距離 224.2yd
打感がすごく爽快で、弾き感があります。ボール初速はトップクラス。打ち出し角は標準の高さですが、スピンが入るので途中からグングン上がって、最高到達点が高くなりました。ビッグキャリーを稼ぐのに最適なモデルです。
2) FWもミスに強い「G425 MAX」
ピン「G425 MAX FW」(7W・ロフト角20.5度)
ヘッドスピード 43.3m/s
ボール初速 64.4m/s
打ち出し角 16.3度
高さ(最高到達点) 43.1yd
スピン角 -6.4度
バックスピン 4626rpm
総飛距離 227.9yd
前作(G410 MAX FW)に比べてスピン量が減り、弾道が強くなった印象を受けます。ピン特有のやさしさは、ドライバーのみならずFWでも健在。高弾道のドローが打ちやすいモデルで、振り遅れやスライスのミスに強いと言えます。
3) 上げやすさNo.1「RMX」
ヤマハ「RMX FW」(7W・ロフト角20度)
ヘッドスピード 43.4m/s
ボール初速 63.5m/s
打ち出し角 17.2度
高さ(最高到達点) 44.4yd
スピン角 -0.7度
バックスピン 4071rpm
総飛距離 232.2yd
高弾道タイプ3モデルの中でも、最高到達点が最も高かった「RMX」。スピンで上がるタイプというより、打ち出し自体が高いので、ヘッドスピードが遅い人でもボールを上げやすいと思います。ソールの抜けが良いので、ダフリにくさも感じられます。
4) 石井プロ絶賛「エピック SPEED」
キャロウェイ「エピック SPEED FW」(7W・ロフト角21度)
ヘッドスピード 42.3m/s
ボール初速 62.6m/s
打ち出し角 14.4度
高さ(最高到達点) 38.6yd
スピン角 -0.8度
バックスピン 5022rpm
総飛距離 219.2yd
個人的には今年のFWでナンバーワンの完成度だと思います。シャープな形状で日本人好みの顔なので、構えやすさの点でもおすすめ。飛距離性能だけでなく操作性も高いので、自在に球筋を調整できるのが魅力です。
5) 意外と万能型「スリクソン ZX」
ダンロップ「スリクソン ZX FW」(7W・ロフト角21度)
ヘッドスピード 42.7m/s
ボール初速 64.8m/s
打ち出し角 14.7度
高さ(最高到達点) 38.3yd
スピン角 -6.3度
バックスピン 4492rpm
総飛距離 233yd
見た目以上に深重心の構造になっているので、どんなタイプのゴルファーでも、つかまりの良さを実感できます。球筋の傾向としては、風の影響を受けにくい、低くて強いライナー系のドローボールが打ちやすいと思います。
6) 全体のバランスが秀逸「TSi2」
タイトリスト「TSi2 フェアウェイメタル」(ロフト角21度)
ヘッドスピード 42.5m/s
ボール初速 63.9m/s
打ち出し角 14.0度
高さ(最高到達点) 39.2yd
スピン角 0.2度
バックスピン 4810rpm
総飛距離 226.1yd
飛距離、打感、顔の三拍子がそろっていて、クラブ全体のバランスが秀逸です。ボールを弾くのではなく、フェースに食いついて飛ばすモデルなので、打感にこだわる玄人ゴルファー好み。叩いても引っかけにくい、パワーヒッター向きFWです。
まとめ) 高さの目安は40yd 球筋はドローorストレート
・選ぶポイントは「高さ」と「つかまり」。
・「高さ」は最高到達点40ydを目安にする。
・「つかまり」はドローかストレートに分類する。
取材協力/ハンズゴルフクラブ
■ 石井良介(いしい・りょうすけ) プロフィール
1981年生まれ、神奈川県出身。PGAティーチングプロの資格を持ち、トラックマンを使った最新理論やデータに基づくレッスンが好評。YouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」も大人気。
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