「ステルス」爆売れの反動 中古モデル急増の実態は
「ステルス」を手放す前に! いまこそ見直すべき調整法とは
テーラーメイド「ステルス」シリーズが大ヒットした反動で、中古ショップに流れる同モデルの本数が増加している。せっかく新品で購入したのだから、どうにか手放さずに済む方法はないものだろうか!? 「いまこそチューニング法を見直すべき」と説くゴルフガレージ松戸八柱店の小田切美仁店長に、その調整法を聞いた。
1.「カチャカチャ機能」を見直そう
「最初に見直してほしい調整法は、カチャカチャ機能です。弾道を調整できる便利な機能ですが、多くの方はシャフトを入れ替えられる付属品としか認識していないようです」と、接客時に日頃から受けている印象を話す。
テーラーメイドのスリーブでは、ロフト角を基準値(表示ロフト)の『STD(スタンダード)』から+-2度(HIGHER←→LOWER)動かすことで、ライ角とフェース角を自動的に変えることができる。ライ角は+4度(56~60度)、フェース角は+-4度の範囲内で12通りの調整が可能。「『ステルス』でボールがつかまらない、上がらないと悩む人には、ロフト角+2度でフェース角が+4度クローズとなる『HIGHER』がおすすめです」
一見すると複雑そうだが、「テーラーメイドのカチャカチャは至ってシンプル」という。調整法はロフト角を動かすのみ。例えばタイトリストのように、2種類の部品を組み合わせる必要はなく、細かいセッティングは不要です。言い換えれば、球筋を極端に大きく変える機能ではないと表現できるかもしれません」。劇的な変化は望めないかもしれないが、お手軽な調整法として試す価値は十分にあるだろう。
2.「鉛」を見直そう
次に推薦する調整法は、ソール部分に鉛を貼って重心位置を調整すること。「原始的な方法と思われるかもしれませんが、ボールが上がらないと悩む人にとって、ソール後方への装着は効果大。インパクトロフトを増やし、打ち出し角を高めることができます」
また、鉛をヒール側に貼れば、重心距離が短くなり、つかまり具合が高まる。逆にトウ側に貼ると、つかまり具合を抑えられる。弾道を幅広く矯正できるメリットはあるが、必要以上に貼り過ぎると悪影響も生まれやすいので注意が必要だ。
「鉛の重さの目安は2.5gまで。それ以上を貼ってしまうと、ヘッドバランスが変わり、振り抜きづらくなってしまいます。特に後方に2.5gよりも多く貼ってしまうと、慣性モーメントが大きくなり過ぎて、ヘッドの振り抜き感が悪くなり、右方向へ曲がるケースが増えてしまいます」
3.「ティの高さ」を見直そう
カチャカチャや鉛を試しても効果が出ない場合は、実戦でティを高くする調整法をすすめる。「実は最も手っ取り早く、明確に効果が表れる方法です。ティを高くし、ボールを通常よりも左寄りに置くことで、軌道の最下点を過ぎたあたりでボールをとらえる、アッパー軌道を実現でき、打ち出し角を上げる効果を促します」
テーラーメイドが2014年に『ジェットスピード ドライバー』を発表した際には、飛距離を伸ばすための理想地として打ち出し角17度、スピン量1700rpmという極端な“高打ち出し+低スピン”を掲げていた。その後、数値に調整を加えながらも方向性は継続。低スピン性能を押し進める『ステルス』の飛距離性能を十分に引き出すためには、高い打ち出し角が必要となる。
ただし、ティを高くすることで「スイング時の違和感には注意するべき」とも警告する。「アドレスした際のボールの見え方が変わると、振りにくさを感じてしまう人は多いようです。慣れているボールとの距離感が変わることで、スイング自体を変えてしまうようなゴルファーも少なくありません」
番外編.「リシャフト」を見直そう
小田切店長は最後に、「多少お金はかかってしまいますが、リシャフトという調整法もあります」と付け加える。
「タイミングの取りやすいモデルに替えるだけで、ヘッド性能で感じたデメリットは十分に解消できます」と断言。「ゴルフガレージ」では、「ステルス」の純正カスタム『ツアーAD UB』『スピーダー NX』『ディアマナ PD』のほか、豊富なテーラーメイド仕様のスリーブ付き中古シャフトを取りそろえている。
「気を付けてほしいのは、純正『TENSEI RED TM50』が、そもそも他メーカーのシャフトよりもやわらかく、カスタムモデルと比べて硬さの差が歴然であること。『TENSEI RED』よりも、もう少し球を上げたい、つかまえたいという人には、モデルを替えるよりも、フレックスをSからSR、SRからRに落とすほうが有効かもしれません」
取材協力/ゴルフガレージ 松戸八柱店、GDO MatchingLAB(マッチングラボ)
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