シャフトとヘッドの相性を調査せよ!
【飛距離重視】アベレージゴルファーに近いとされる女子プロの飛びの秘密を探れ!
フェースの反発が規制されてから早6年。そんななか飛距離を追及するにあたり、年々重要視されてきているのがシャフトとヘッドのマッチングだ。そこでパワーで飛ばすのではなく、効率の良い弾道で飛距離を稼ぐ女子プロの開幕戦に潜入。シャフトとヘッドのデータを採取し、組み合わせにどんな狙いがあるのかを調査した。
飛距離 第1位 藤倉シャフト モトーレスピーダーシリーズ
今回の調査で一番使用率が高かったのがフジクラのスピーダーシリーズ。このシャフトはヘッドを走らせる“弾き系”で飛距離重視の設計。
組み合わせられたヘッドは、ビッグバーサ アルファ プロやジェットスピード、MPクラフトH4等比較的浅い重心設計で強い弾道が打ちやすいタイプが多い。特にビッグバーサ使用の2名のロフト角が8.5度と非常にロフト角がたっており、ヘッドでスピンの少ない球をシャフトで打ち出し角と初速を生み出し、効率よく飛距離を稼いでいる。
飛距離に定評がある服部真夕プロ、三塚優子プロ、藤田光里プロのほか、原江里菜プロやテレサ・ループロといったショットメーカーな選手も使用していることから、力がある人が飛ばせるシャフトというよりは、使う人の飛距離を伸ばしてくれるようなシャフトだ。
【服部真夕のスペックデータ】
ドライバー:ミズノ MPクラフト H4(9.5度)
シャフト:藤倉シャフト モトーレスピーダー 569(S)
【藤田光里のスペックデータ】
ドライバー:キャロウェイ ビッグバーサ アルファ プロ(8.5度)
シャフト:藤倉シャフト モトーレスピーダー 569(SR)
飛距離 第2位 グラファイトデザイン ツアーAD MTシリーズ
MTシリーズは、手元部分の粘りと先端の強いしなり戻りが特徴のいわゆる“ダブルキック”系と呼ばれるシャフト。ボールのつかまりが良く飛距離に定評がある。
装着されたヘッドは、テーラーメイドSLDRの430とヤマハRMXのツアーモデル。男子プロでも手を焼きそうなハードでお世辞にもミスに強いとは言えない、操作性を最大限に重視したヘッドとの組み合わせ。操作性の良いヘッドにつかまりの良い飛距離重視のシャフトを組み合わせることでヘッドの役割、シャフトの役割をハッキリ分け、ショット時のフィードバックを感じやすくし、しっかり距離を稼ぎながらも、ミスを減らそうという意図が感じられる。
使用者は、宮里美香プロと成田美寿々プロ。どちらも60g台の女子としては重めをチョイス。二人とも叩きに行くタイプではないので、自分のパワーだけではなく、重さとシャフトの特性で飛距離を稼いでいるようだ。
【宮里美香のスペックデータ】
ドライバー:テーラーメイド SLDR 430(11度)
シャフト:グラファイトデザイン MT(6S)
飛距離 第3位 三菱レイヨン フブキJ シリーズ
今年の2月に発売されたばかりのフブキJシリーズだが、早くもプロに選ばれている。一番の特徴はシャフト重心を手元寄りにし、長尺化や重量の重いヘッドを付けても、クラブのバランスを損なわずに振りやすさを作れること。
装着されているヘッドはビッグバーサアルファ。浅重心で比較的重量が重いのでフブキJとの相性は良い。ロフト角は8.5度と9度との組み合わせでスピンの少ない強い弾道を打ちながら、シャフトで振りやすさを追求した組み合わせだ。
使用者は佐伯三貴プロと浅間生江プロ。二人ともキャロウェイ契約プロで同じシリーズのヘッドを使用。重量、硬さはそれぞれ違うが長さは同じ45?。重量のあるヘッドで振りやすさを追及すると、飛距離と方向性のバランスを考えた結果がこの長さなのだろう。
【佐伯三貴のスペックデータ】
ドライバー:テーラーメイド SLDR 430(11度)
シャフト:三菱レイヨン フブキJ(60S)