ダンロップスポーツ/最低賞金総額で試合を開催し、男子ツアー数減少に歯止めを『ゴルフ業界トップに聞く2014年の展望』
「第48回ジャパンゴルフフェア2014」にて、ゴルフ業界で影響力のあるキーパーソンを直撃し、2014年の野望を聞き出す特別企画。普段は聞くことのできない話題の新製品の「インサイドストーリー」も合わせて取材します。
●ダンロップスポーツ株式会社 取締役専務執行役員 兼 株式会社ダンロップスポーツマーケティング 代表取締役社長 水野 隆生(みずの たかお)
大阪府大阪市出身。1975 年に住友ゴム工業株式会社へ入社。ゴルフ事業の営業部長、販売企画部長、販売部長を経て、2003 年にSRI スポーツ株式会社取締役ゴルフ営業部長へ就任。その後、株式会社ダンロップゴルフショップ代表取締役社長、株式会社ダンロップスポーツ代表取締役社長を経て、現職に至る。
GDO「2013年のマーケットの振り返りをお願いします」
水野「ゴルフ場入場者数は前年比101%、ゴルフ用品全体の売上は104%(クラブは105%、ボールは101%)となっており、悪い状況ではありませんでした。ゴルフ場については、7月、8月の記録的な猛暑に加えて、9月、10月の台風によるキャンセルが相次いだことがあり、下期は落ち込んだものの、上期と11月以降の業績がよかったため、リカバリーできました。用品関係は、飛ぶフェアウェイウッドやユーティリティが好調だったことが主な要因ですが、“ゼクシオセブン”のマークダウンと、12月に新発売した“ゼクシオエイト”も売上に寄与しています。全般的にはアベノミクス効果による景気の上昇とともに売上が伸びている傾向です」
GDO「御社の業績はいかがでしたか」
水野「2000年に発売したゼクシオですが、7代目“ゼクシオセブン”で、発売から2年目の年に初の増収となったことから、今後は、ゼクシオの新商品発売の翌年でも増収増益を見込んだ業績予測をたてることができます」
GDO「初めて増収になった主な理由は」
水野「今までの傾向では、発売2年目は売上が半減していましたが、“ゼクシオセブン”についてはドライバーだけでなくアイアンも非常に好調だったことが主な要因です。また、ゼクシオを使用している横峯さくら選手、賞金王になった松山英樹選手、賞金女王になった森田理香子選手などの活躍も理由として挙げられます。特に松山選手と契約した7月以降は、スリクソンのクラブ、ボールに加えて、キャディバッグなどの用品も売上をのばし、全体で増収を実現することができました」
GDO「2014年の市場予測を聞かせてください」
水野「毎年、ゴルフ業界全体の市況については、少子高齢化の影響で、1%ずつ減少する右肩下がりの傾向がみられます。加えて4月に消費税率引き上げの影響で3%減少を予測しており、前年の96%で推移すると考えています。ゴルフ場は1%程度の減少を予測していましたが、2月に予想外の大雪が2週連続で降ったため、大きな影響がでています。1~2週間連続でクローズになるコースもありましたし、今までは降ることのなかった神奈川県や静岡県の地域でも大雪となり、交通が遮断されて流通にも影響がでています」