「やさしく飛ばせるものを作り続ける、揺るがないピンの設計コンセプト」 ~ピンゴルフ編~ 2014年 Vol.2
ピンゴルフジャパン社長、ジョン・K・ソルハイム氏にインタビュー
『HOT LIST JAPAN 2014』で高評価を得たクラブは、どのように開発されたものなのか。企画開発の担当者へのインタビューから、メーカー側の視点と今後の方向性を探っていく。第二回目は、i25シリーズとパターが高評価を得たピンゴルフ。同社の代表取締役社長であり、自身がエンジニアでもあるジョン・K・ソルハイム氏に話を聞いた。
ピン『HOT LIST JAPAN 2014』受賞クラブ
ドライバー部門:ゴールド賞『i25 ドライバー』
フェアウェイウッド部門:シルバー賞『i25 フェアウェイウッド』
アイアン部門:ゴールド賞『i25 アイアン』
アイアン部門:ゴールド賞『S55 アイアン』
パター部門:ゴールド賞『カーステン TR アンサー』
パター部門:シルバー賞『カーステン TR パター B60』
パター部門:シルバー賞『スコッツデール TR アンサーT』
■ ツアープレーヤーの要望でやさしくなったi25ドライバー
ピンゴルフでは、Gシリーズとiシリーズという2つのメインブランドを中心にクラブを展開している。今年度は新しいi25シリーズがリリースされる年にあたり、その多くの新モデルが『HOT LIST』でメダルを受賞した。新しいi25シリーズは、前モデルであるi20と比較して、何がどのように変わったのか。
「前モデルのi20ドライバーは、ツアープレーヤーや上級者のために操作性を重視して設計したモデルでした。しかし、実際には多くのツアープレーヤーがGシリーズのドライバーを好んで使用していました。なぜなら、彼らもドライバーにはやさしさを求めたからです。そこで新しいi25ドライバーは、i20よりも直線的にやさしく打てるようにしながらも、ツアープレーヤーが好む小ぶりのヘッドに見えるように設計しました。i25のフェアウェイウッドにおいても、その設計のコンセプトは同じです。
i25シリーズのもうひとつの特徴は、新たにウッドのクラウンにレーシングストライプのグラフィックを採用したことです。これは単なる飾りではなく、正しいアライメントとテークバックを導くための機能の一部となっています。レーシングストライプの発想自体は、アンサーシリーズの開発時からすでにあったのですが、曲面のクラウンにストレートに見える線を引くのは難しく、その技術を開発するのに2年半の歳月を要しました」(ジョン氏)
i25シリーズのドライバーとフェアウェイウッドは、『HOT LIST』の試打テスターからも直進性の高さを評価する声が多く、それがメダル獲得にもつながったと言っていい。それがまさに、ピンがi25シリーズで目指したやさしさの証明となっている。
「i25ドライバーは、できるだけ小ぶりに見える洋なしシェイプのデザインを採用していますが、ヘッドの上下やシャフト軸周りの慣性モーメントは、G25ドライバーに次いで大きなものになっています。他メーカーの小ぶりヘッドのドライバーと比べると、はるかに大きな数値です。ヘッドの重心設計において、私の知る限りでは市場でもっとも深重心かつ低重心なのがG25ドライバーであり、その次がi25ドライバーです」(ジョン氏)