「最新の設計技術とクラフトマンシップを融合」 ~ミズノ編~ 2012年 Vol.9
GDO:ミズノといえば、軟鉄鍛造のアイアンのイメージが強いですが、今回のHOT LISTではマッスルバックの「MP-69」が見事ゴールド賞に選ばれました。テスターからは、ヘッド形状の良さ、打感の良さが特に高く評価されていました。
金山:ミズノのフラッグシップモデルである「MP-69」に高い評価をいただいたのは、とても嬉しいですね。以前から米国版のHOT LISTは、開発チームで毎回チェックしていましたから。
GDO:米国版のHOT LISTでは、ミズノのフォージドアイアンは毎回たくさんの賞を獲得していますよね。クラブ開発は、すべて日本で行っているのでしょうか。アメリカにも開発担当の方がいるのですか?
金山:同じ開発チームのデスクが、アメリカにもあるといった感じですね。出張もありますし、テレビ会議などで意見交換なども行っています。もちろんブランドによって担当者はいて、現在のMPシリーズを担当しているのは主にアメリカです。ただ、ミズノでは「ヘッド形状=性能」であると考えていますので、PCのCADソフトでクラブを設計してモックアップが上がってきた段階で、養老のクラフトマンがヘッド形状をチェックして手を加えています。正直言って時間と手間も掛かる面倒な作業なのですが、クラフトマンシップを融合するためには欠かせない工程になっています。もちろん契約プロにも試打してもらって、その意見もフィードバックさせています。「MP-69」は、今でも人気のある「MP-33」というモデルを意識して開発したのですが、おかげさまでその「MP-33」を超えたとの声も頂いています。
GDO:MPアイアンは、オーソドックスなところがゴルファーに人気なのだと思います。ですが、毎年オーソドックスでクセのないモデルを作り出すのは、開発担当として苦労しませんか。行き詰まったりしないのでしょうか?
金山:「次はこうしてみよう」という点がどこかにあるので、開発チームは楽しく新モデルを開発していますよ。料理人のような感覚です(笑)。悪くいえば、MPシリーズはヘッド形状が似かよってくることはありますが・・・。その点でいうと、JPXシリーズではもう少し機能面に寄せた開発を行っています。スイートエリアの広さ、飛距離、打感の良さをバランス良く兼ね備えるように配慮して開発しています。
GDO:MPシリーズからは、「MP H4 アイアン」という新しいモデルが発売されますが、このモデルはヘッドも大きく、どちらかというとJPXシリーズのようですよね。
金山:ゴルフに対する向上心はあるけど、MPシリーズはまだ使えないというゴルファーは多くいらっしゃいます。そういった人のために開発したのが「MP H4 アイアン」です。性能的にはMPとJPXの中間になるので、これまでのMPシリーズと区別するために名称は2桁の数字ではなくH4としています。