マトリックス図ウェッジの選び方は? 最新マトリックス図を一挙公開
最新ウェッジのマトリックス図を公開
今回、三田コーチにはウェッジ選びの参考として、各メーカーの主要な最新ウェッジを「4象限」に並べたマトリックス図を4枚作成してもらった。フォーティーンとタイトリストはウェッジのモデルとグラインドタイプをそれぞれ1つの図に。国内メーカーのミズノとクリーブランドは合わせて1枚の図にした。さらに海外メーカーのテーラーメイドとキャロウェイとピンを1つの図にまとめた。マップしたクラブのロフト角はすべて58度のサンドウェッジ(SW)だ。
図表の縦軸はクラブヘッド入射角の傾向を示し、上に行くほどスティープ、下に行くほどシャロ―な入射角に合っている。横軸はクラブ操作の度合いで、左がオートマチックに振り抜けるタイプで、右に行くほど操作が必要なマニュアルタイプとなる。
<フォーティーン>
フォーティーンのC-036はバウンスが6度と低いが、それを補うワイドキャニオンソール(幅広ソール)がミスを軽減してくれる。またDJ33もバウンス角が低めな設定ながら、幅広で丸みを帯びたリッジ&ワイドソールでライに刺さらずに振り抜けるタイプになっている。FHフォージドV1はロフト角別にソールの形状が異なるが、SW(58度)は山形の稜線を持つソール(ツインソール)になっていて、フェースを開いて打ち込んだとき、バウンスが効いて高い球を出せる。RM-22とRMはソールが複数の形から選べるカスタムモデル。プレースタイルに合わせて選ぶと良いだろう。
<タイトリスト>
タイトリストのボーケイデザインは最新作のフォージドとSM7の2種類。それぞれソールの削り方(グラインド)でタイプが分かれている。Kグラインドが幅広いワイドソールで優しいタイプになり、D、S、Mと削り方が大きくなっていく。Lグラインドはソールの幅自体が狭いタイプで操作性が高くなっている。
<ミズノ><クリーブランド>
ミズノプロ S18はバウンスがハイ、ミッド、ローと3タイプに分かれ、バウンスがあるほどやさしいタイプとなっている。
クリーブランドのRTX F-フォージド IIはワイドソールで地面に潜りすぎるミスを防ぐと同時に、ソールの後方を削ったV字ソール形状となり、インパクト後の抜けがはやくなるようになっている。RTX 4 フォージドは、フェース面積が広く、日本のゴルフコースに向いたモデルだ。
<ピン><テーラーメイド><キャロウェイ>
ピンのGLIDE 2.0はSS(スタンダードソール)、ES(EYEソール)、WS(ワイドソール)、TS(シンソール)と4つのソール形状に分かれており、ソール幅と形状でやさしさが変わってくる。
テーラーメイドのミルドグラインド、ミルドグラインド ハイトゥは、ヘッドの形状で重心位置をセンターに来るように調整しており、安定して打てるタイプ。
キャロウェイはSURE OUT 2、マックダディ4、PM GRIND 19、マックダディ フォージド19とタイプの異なった4種類のモデルがラインアップされている。
初心者なら「バウンス12度以上、幅広ソール」で
最適なウェッジを見つけるのに大切なこととして、「まずは自分の入射角を知ること。そこからプレースタイルに合わせたソール形状を選ぶと良いでしょう」と三田コーチ。初心者やアプローチが苦手な人には、今回の図で見たとき、左側に位置し、中央の線に近いものを選ぶと良いだろう。「(初心者は)スイングが安定せず、入射角がスティープに入ったり、シャロ―に入ったりしてしまうので、まずはミスを軽減するためにハイバウンスで幅広なソールのタイプをおすすめします」
一般的に、日本国内のゴルフコースでは、ボールが浮きやすい高麗芝ということもあり、12度以上のハイバウンスが合いやすいとされる。また、幅広いワイドソールはミスを軽減してくれるので初心者の強い味方になるだろう。ただ、こうしたウェッジは、中上級者がフェースを開いてショットを打つ際、ヒール側からインパクトに向かっていくので、ソールが先に地面に当たってスピン量が減る原因になる。そのため、ヒール側のソールを削ることで、当たる衝撃を軽減して適正スピンに近づけられる。一方、トゥ側のソールはバンカーショットの際、バウンスの跳ね返りで距離を出すために役に立つが、距離を調整できるような上級者にとっては、バウンスが邪魔になってしまうケースもあるので、ソールを削っておくと操作性が高まる。
「フェース形状の見た目での違いを気にする方も少なくない」と三田コーチも話すとおり、グリーン周辺で使用頻度の高まるウェッジは、プレーヤーがスイングや弾道のイメージを託すスコアメークの重要クラブだ。最近はゴルフバッグに複数のウェッジを入れる人が増えてきており、最適ウェッジの選定は、プレーヤーのゲームプランを大きく進化させてくれそうだ。
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