「ボールにも高MOI!?」のナゼに迫る ブリヂストン「ツアーB」新作を徹底解剖
ブリヂストンゴルフからツアー系ボールの新モデル「ツアーB X」と「ツアーB XS」が発売された(以下、前者をX、後者をXSと表記)。この分野で圧倒的なシェアを持つタイトリスト「PRO V1」シリーズを追う立場として、今回のモデルチェンジには並々ならぬ気合が入っているようだ。
シェア1位のPRO V1と真っ向勝負!
新製品の性能を探る前に、まずは市場でのブリヂストンのボールの状況を把握しておきたい。同社の調査によれば、各都道府県の研修会(トップアマが参加する競技会)でのシェアは「PRO V1を抜いた」と胸を張る。栃木県や北海道南部、九州アマや愛知県アマでの調査ではPRO V1の後塵を拝しているものの、埼玉県や東京都、神奈川県でツアーB人気が高いという。今後はツアープロを含めた国内のエリートゴルファー間での人気をさらに上げ、シェア拡大を狙う。
新モデルのコンセプトはイメージ通りに「運べる」「寄る」。XもXSも、ロングゲームでは風に強く飛び、ショートゲームでは高スピンによりコントロール性が向上したという。Xはしっかりした打感と飛距離性能、XSはソフトな打感と高いスピン性能が特徴だ。XSをメインボールに据えていたタイガー・ウッズが、飛距離が欲しい試合でXを使い、以後併用しているエピソードがある。
ボールにも「高MOI」ってどういうこと?
具体的な進化ポイントは、コア(ボールの中心部分)とインナーカバー(表皮とコアの間の中間層)だ。どちらも新材料を用いることで、フルショット領域での高初速・低スピンに磨きがかかったという。特にインナーカバーの進化が大きいようで、ボールも「高MOI化」を目指した。
「MOI」は慣性モーメントのことで、主にドライバーの説明時に頻出するためご存じの方も多いだろう。慣性モーメントが高いと、初めは回転させにくいが、回転し始めると止まりにくい。ブリヂストンはこの指標をボール開発にも持ち込んだ。同社の過去モデルおよび他社製品を研究したところ、今回のX/XSとも他を引き離す高い慣性モーメントを得たと説明する。
慣性モーメントの高いボールのメリットは、アイアンではフライト中に抑えたスピンをしっかり維持できることと、パットでの転がりに寄与するという。このあたりは、実際に数ラウンド使い込んでみると実感できることなのかもしれない。
昨年末、新しいボールの発表に先立ち、メディア関係者を呼んで試打ラウンドが行われた。ヘッドスピード42m/sの記者が打ってみたところ、XSの進化が著しいように感じられた。アイアンやショートゲームでの柔らかい打感はそのままに、ドライバーショットでの直進性が向上していた。前作までのXSは打感がとろけるほどに柔らかいものの、ロングゲームでのスピン量はイメージよりも少し多く、「使うならX」であったが、新作はXかXSか甲乙つけがたかった。
さらに、「耐久性」にも注目したい。アイアンやウェッジのショットや、カート道や樹木に当たるなどした時にアウターカバーのダメージを減らす研究をブリヂストンは続けており、この認知もかなり広まってきたようだ。
試打ラウンドには、Xのユーザーである契約プロの吉田優利と佐藤心結も来場していた。契約プロの使用比率は7:3~8:2でXが多いが、マーケットでの販売比率はほぼ1:1だという。
女子プロたちがXを選ぶワケ
「ボール選びは音が決め手」と話す吉田はしっかりした打感と打音を好み、パッティングの距離感を打音で作る。吉田によれば、22年モデル(前々作)から24年モデル(前作)に変わる過程で打感が柔らかくなったと感じており、新作26年モデルは22年モデルよりも硬くなったことで、印象はかなり良くなった。新作は、「ショートゲームのスピンのかかり方がイメージに近いところも良い」と語る。
佐藤心結は、ボールに打感とフィーリングを求めており、「Xらしい打感が新作で戻ってきた」と手放しで喜んでおり、実戦投入が待ち切れない模様だ。
主なXユーザー:タイガー・ウッズ、ジェイソン・デイ、クリストファー・ゴッターアップ、金谷拓実、木下稜介、比嘉一貴、清水大成、宮里優作、吉田優利、馬場咲希、堀琴音、渡邉彩香、佐藤心結
主なXSユーザー:永野竜太郎、嘉数光倫、宮本勝昌、稲見萌寧、古江彩佳、西郷真央、藤田さいき、大里桃子、金澤志奈、桑木志帆(今作よりXから変更)
発売は2月6日。ツアープロが認めるボールの進化を味わってみてはいかがだろうか。(編集部/中島俊介)