米国発の“やさしさ”融合でイメージを覆す
「ダイナミックゴールド」のスチールシャフトと聞くと、大半のゴルファーならプロや上級者向けのクラブを思い浮かべるのではないだろうか。「硬くて重いスチール」という先入観を持たれがちだが、実は「ダイナミックゴールド 95」、「ダイナミックゴールド 105」といった軽量モデルがあり、これは他社のスチールシャフトと比較しても、しなりを感じやすく、高弾道になりやすい。つまり、一般ユーザーにとっては、やさしいシャフトといえるだろう。
そのダイナミックゴールドを製造するトゥルーテンパーは今年、最新モデルとなるカーボンシャフト「DENALI(ディナリ)」を発売した。このモデルは、タイトリストの最新モデル「GT」シリーズでも純正シャフトとして採用されている。
PGAツアーの使用率NO.1という状況から、タイトリストもトゥルーテンパーと似たようなブランドイメージを持たれがちだが、なぜディナリが純正シャフトに選ばれたのか? その経緯を両ブランドの担当者が明かす。
高弾道、高スピンの一般向けシャフトの開発
日本ではスチールシャフトのイメージが強いトゥルーテンパーだが、米国ではドライバー用カーボンシャフトも一般的で、PGAツアーの選手も多数使用している。
トゥルーテンパースポーツ ジャパン インクの伊能新吾(敬称略、以下同)は、「米国では『HZRDUS(ハザーダス)』というカーボンシャフトが人気なのですが、これはまさにPGAツアーのフィードバックを元に開発されたもの。米国のゴルファーはプロの姿に自分を重ね合わせてクラブやシャフトを選ぶ傾向があるようです」と話す。
一方、今年新たに登場したディナリは、これとは異なり、より一般のアマチュアゴルファーにターゲットを合わせ開発された。なかでもGTシリーズに採用された「ディナリ レッド」は、高弾道、高スピン、さらにカウンターバランスという特徴を持ち、パワーがないゴルファーでも使えるカーボンシャフトとなっている。
「アマチュアが使える」がスタンダードな組み合わせ
タイトリストが2024年に発売したGTシリーズは、ドライバーが3機種。その中でも「GT 2 ドライバー」はミスに強いヘッド構造、打ち出しの高さが出るなど、まさにアマチュア目線でやさしいモデルとなっている。
「プロや上級者向けだけではなく、一般のアマチュアが使ってもスコアアップにつながるクラブをラインアップしています」と話すのは、タイトリストの日本支社であるアクシネット ジャパン インクの根津博嗣(敬称略、以下同)。
GTシリーズは、日本国内では他社製を含めて3つの純正シャフトが用意されている。そのうち一般の店頭においてはGT 2 ドライバーとディナリ レッドという組み合わせが最もスタンダードな組み合わせとして並ぶことが多いそうだ。