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本当は教えたくないけど…即買い必至「ギアマニアのマル秘リスト」

2023/12/15 20:00

モノの値段は一般的に、「人気=需要量」が高ければ高く、低ければ安くなる。しかしながら、大多数の人は見向きもしないが、一定のマニアだけに注目され、品薄で価格が上がっているクラブがある。今回は見つけたら即買い、オススメなクラブのリストを公開しよう。

大槻智春が“変えるに変えられない”ドライバー

ミスヒットの強さが魅力。ちなみに筆者は3回購入した

以前はピンの契約プロだった大槻智春、現在はクラブ契約フリーとなっているが、今も「ピン G400 MAX ドライバー」(2018年)を手放せない。昨年の後半から「ダンロップ スリクソン ZX5 Mk II」(2022年)、「タイトリスト TSR1」(2023年)に一時変更したが、ツアー通算3勝目を飾った9月の「パナソニックオープン」ではG400 MAXを握っていた。ピンの1Wは慣性モーメントが大きく、球が曲がりにくいのが魅力。同モデルはこの値もトップクラスを誇る。その上、ヘッドが大きく見え、絶大な安心感がある。在庫は少なくレア。価格は3万円前後からと、その後発売されたG410シリーズ、G425シリーズと変わらない人気がある。

FWはチタンボディを選ぼう。オノフが狙い目

ロッディオも希少価値が高く、即買いしても良いフェアウェイウッド(写真右)。オノフ(写真左)と違ってすべての番手に共通してチタンボディだ

飛距離性能が高い3Wというと、チタンボディで超低重心化しているモデルが思い浮かぶ。一般的にチタンボディは中古でも高い価格が維持されている。しかしグローブライドの「オノフ フェアウェイアームズ KURO」(2017年)は、チタンボディながら1万円前後から入手可能。オノフの母体であるグローブライドにはパーツブランドであるロッディオがあり、「ロッディオ フェアウェイウッド」(2015年)もチタンボディで超低重心。こちらは2万円台前半からが相場だ。注意してほしい点は、3W以外の番手はチタンではなくステンレスボディとなっている点。意外と在庫もあるのもうれしいポイントだ。ミスヒットに強い訳では無いので上級者向けともいえる。

アイアンはエポン、三浦技研をチェック

装着シャフトもマニアックなものが多いのが魅力

中古での流通数が極端に少なくなるが、マニアから絶大の支持を得ているのが、エポンと三浦技研のアイアンだろう。エポンは大手メーカーのクラブをOEMで作る(受託製造)遠藤製作所の自社ブランド。高品質が有名で、個性豊かなアイアンを販売している。

―方、三浦技研は軟鉄鍛造アイアンの雄として、世界的にも有名だ。プロ用だけ三浦技研にOEMでオーダーしているメーカーも少なくない。三浦技研の会長である三浦勝弘氏は“神の手”の持ち主と言われ、メジャー王者からの信頼も厚い。両メーカーともに販売ルートを限定していて、値引きはほとんどない。中古ショップでも商品を見かけるが、すぐに売り切れてしまう。エポンの人気モデル「AF-306」や三浦技研の「TC-101」なら12万円以上(6本セット、スチールシャフト装着モデル)と中古アイアンの中ではかなり高価だ。価格的に即買いは難しいが、手放す際にも高価で買い取ってもらえるのも利点。程度とシャフト次第で、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ってみるのもアリだ。

“その他メーカー”のウェッジをチェック!

ノーメッキのウェッジは溝のチェックが大切。できれば実物を見て確認したい

ウェッジもアイアンと同じように、パーツメーカー、いわゆる“地クラブ”が楽しい。ウェッジは比較的低予算で製品化できるので、参入のハードルが低く、様々なメーカーが製造している。ネームバリューが全国区でなければ、値段は安くてクオリティの高い即買いすべき商品が結構ある。

もちろん、クラブを見極める目利きは必要。自信がなければ、マニアおススメのメーカーが狙い目だ。例えば大槻らプロも使うアクシスゴルフの「AXIS Z1 ウェッジ」(2018年)はどうだろう。スピン性能の高さや、扱いやすいソールが魅力。1万円以下で見つけられた。マニア向けウェッジは、ノーメッキやサビにくいように皮膜処理(黒染め)されている製品が多く、皮膜が剥がれたり、サビが浮いたりと程度が悪くなったように感じるが、フェースの溝の角が落ちてなければ問題ない。

発売から時間が経過し1万以下で買えるオデッセイの名器たち

オデッセイは人気があるので、古いモデルでも市場に出回っているのが魅力。写真や実物でしっかり程度をチェックして購入しよう

ここ数年で、新品価格が上がったのがパター。その影響で中古価格も驚くくらい上がっている。月曜日のお昼時といえば「きのうパットが入らなかったから、衝動買いしちゃえ!」というお客さんが中古ショップに大勢いたが、それも減っていると聞く。お父さんのお小遣いで買える価格のパターが少なくなっているのだ。

実際、1万円以下の中古パターは非常に少ない。実際のところは「入荷はしているがすぐに売れてしまう」から、そう見えるだけ。例えば、定価が5万円近かった「オデッセイ プロタイプ ix #1」(2012年)や、定価が3万以上した「O-WORKS #7 TANK パター」(2017年)なども1万円前後で手に入る。こまめに店頭に顔を出したり、WEBをチェックしたりすると、お買い得な逸品が手に入るはずだ。筆者は毎朝GDOの中古ゴルフショップでパターをチェックして、1万以下になったオデッセイの過去の名器を探し、買おうか買うまいか悩んでいる。(ちなみに次の朝には売れていることが多い)

即買いの見分け方とは?

最後に、今後即買いアイテムになりそうなクラブの見分け方をお教えしよう。中古市場でモデルチェンジ後の商品との価格差が少ないものは、その可能性が高い。今だとテーラーメイドのSIM2シリーズのドライバーなどは、次作であるステルスシリーズとの価格差がほとんどなくなっているのでその可能性が高い。今はまだ商品数が多いので“即買い”とはいかないが…。ジワジワとマル秘リスト入りするクラブを発掘しつつ、リスト商品を即買いしようか迷うのが、マニアの楽しみ方でもある。(文・田島基晴)

■ 田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

グローブライド
クラブ別、番手別、最適設計でセミオートマチックに打て、やさしい♯3・♯4
発売日:2017/03/03
オデッセイ
ツアープロに話題の「プロタイプ」
発売日:2012/05
ピン
体積460ccでMAXブレない
発売日:2018/03/08 参考価格: 68,040円
ダンロップ
発売日:2022/11/19 参考価格: 79,200円